はじめに |
出口の見えないデフレ不況と失業率5.5%という深刻な雇用情勢に加え、年金や失業の給付引き下げ、医療費の患者負担増など、2003年度政府予算案は2兆円にも達する負担増を国民に課しています。勤労者の雇用と将来生活への不安は高まるばかりです。
医療・年金・雇用の公的セーフティネットが危機的な状況にある中で、「助け合い」や「協同・連帯」を原点とする勤労者福祉運動がその役割を発揮し、安心とゆとりある生活の実現に向けて明るい展望を切り開いていくことが求められています。
今こそ労福協の出番です。時代の変化に対応して発想や運動スタイルの転換をはかり、“行動し提案する労福協”への自己改革に取り組まなければなりません。
新年度はこれまでの成果と課題を踏まえ、勤労者・生活者の福祉に目線をおいた活動を強化し、取り組みにあたっては、若い人たちや女性、NPO、ボランティアの知恵と力も結集できるように努めます。
また、事業団体間の協力・提携については、中央・地方において労福協が中心的役割を果たしていくとともに、地方労福協活動の充実をはかるため地方の特徴を生かした活動を促進します。
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I .
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活動の基調
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1. |
「人と暮らし、環境に優しい福祉社会の実現」にむけて政策・制度の改善をはかるとともに、自主福祉活動の充実強化に取り組みます。 |
2. |
労働団体と事業団体の相互理解の上に立って、各事業団体の基盤強化と勤労者の生涯福祉実現に向けて努力します。 |
3. |
労福協活動を勤労者・生活者のくらしに定着させるため、地域における活動を一層重視します。このため、中央労福協は地方労福協を通し地域に対する必要な支援を行います。 |
4. |
関係各省庁および地方自治体との関係を密接にしつつ、各政党の協力を求め、福祉に関する政策・制度要求の実現をめざします。 |
5. |
中央・地方における加盟団体間の連携を強め、労福協自らの力量を高めます。
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リ・メイク労福協 ネクスト・ステージへチャレンジ |
II .
1. |
具体的な取り組み
2002年総会で提起した方針に基づき、その課題の実践に向けて引続き2003年10月までの間取り組むこととします。 |
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※PDFファイルが開けない方はこちらからAcrobat Readerをダウンロードしてください。 |
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また活動の基調に掲げた5つの課題の実現をはかるとともに、次の諸点を中央・地方・地域労福協が力を合せ取り組みます。
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(1) |
重点政策課題検討プロジェクトの成果を全国の労福協活動に生かそう。 |
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言葉や姿だけでは働く人たちの福祉の向上にはつながりません。しかもそれは職域だけではなく生活の場である地域に反映し、いかにネットワーク化するかにかかっています。
現場に学ぼう。もう一汗も二汗もかこう! そんな気持ちから34地方労福協が名乗りをあげた課題別のプロジェクトチームが2月3日からスタートしました。
6月までにこのプロジェクトチームのまとめが行なえるよう支援します。
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<重点政策課題検討プロジェクトの目的> |
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各課題ごとの現状を把握する。 |
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労福協運動としてどのような関わりを持つのか、政策・制度上の問題点があればその改善に取り組む。 |
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03〜04年にはできるだけ多くの地方労福協が実践して福祉ネットワークづくりの核になるようにする。 |
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* 参画地方労福協のリスト(別表3)
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(2) |
税務サポート対策をより極め細かく、中央・地方労福協が力を合せ支援します。 |
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適切な税務処理を行い納税することは国民の義務です。
中央労福協はまず会計ソフトの導入を支援し会計処理の適正化を促します。適正な会計処理によって事故防止、事務の効率化、省力化につながり、近く予定されている税制改正後も適正な税務申告を行なうことができます。
また地方における税務相談は昨年実施した税務研修会の経験を生かし取り組みます。
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(3) |
中央労福協は情報化推進・データベース化により積極的に取り組みます。 |
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具体的には |
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地方労福協の活動情報等のデータベースを構築し、ホームページで展開します。 |
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様々な福祉関連情報を継続的に発信できるようにします。 |
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全ての地方労福協でホームページが開設できるよう支援します。(現行16地方労福協)
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(4) |
福祉なんでも相談ネットワーク化の具体的検討に入ります。 |
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先進的な取り組みがされている地方労福協や生活協同組合、NPOの実態把握のうえ、より充実した相談体制が点から線の運動へ展開できるよう取り組みます。
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(5) |
労福協自らの力量を高めるため、役・職員の実務研修や次代をになうリーダー育成のため取り組みます。
また、将来不安の解消に向け、若い人たちや働く女性を支援し、元気で社会貢献する高齢者を応援します。
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2. |
総会は隔年開催とし開催月は11月とします。 |
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中央労福協総会は以下の理由から2年に1回の開催とし、開催月は現行2月から11月に、会計年度は10月1日〜翌年9月30日にそれぞれ変更します。また、中央・地方労福協における諸行事・諸会議の日程配置については、総会後早急に関係先間で調整し運動に支障をきたさないように対処します。
<変更の理由> |
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(1) |
中央労福協総会の役割は労福協運動推進に欠かせない事業団体、労働団体、NPO・ボランティア諸団体との連携や国、地方自治体の対応を適格につかみ取り、中央・地方が一体となった運動方向を互いに確認しあうことにあります。
中央労福協の加盟団体の現状は、既に中期計画や2年サイクルの運動に質的転換がはかられています。
したがって、中央労福協総会も2年に1回の開催、中間年は加盟団体代表者会議(新設)で課題の補強をするという考え方で運営することが、加盟団体との関係でも至当と考えます。 |
(2) |
また、経費面では500万円近い費用がかかっています。総会を2年に1回に変更することで限られた予算でより実践的な運動の活性化にもつながります。 |
(3) |
開催月も、現行2月総会後に事業団体関係は6〜8月、労働団体関係は7〜10月に総会や大会が開催されていることから、中央労福協の役員体制の確立の面で支障をきたしている実情にあります。総会開催月を11月にすることで、関係団体の人事や運動方針の反映がし易くなり、現行の運営を改善できるという点で有益と判断します。
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<変更に伴う諸事項> |
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(1) |
会計年度は現行1月1日〜12月31日を10月1日〜翌年9月30日に変更します。
総会を隔年開催することにより、中間年は加盟団体代表者会議(新設)で毎年の予算・決算の承認を受けます。
2003年度予算は1月1日〜9月30日の間とします。 |
(2) |
役員任期は1期2年とします。本総会は(2003年2月21日開催)現行規約上は役員改選期にあたりますが、本総会で改選された役員の任期は次期総会(2003年11月下旬)までの間とします。<第5号議案> |
(3) |
中央・地方労福協に関係する諸会議、諸行事等のイメージは別表2の考え方を基本に今後三役、幹事会などで検討します。 |
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