高等教育費の漸進的無償化と負担軽減に向けて中央労福協が設置した研究会が3月8日、政策提言を取りまとめ、公表しました。
本研究会は、高等教育費の負担軽減に向けた明確なビジョンや政策目標、中長期戦略を持って運動を進めていくことを目的として、大内裕和武蔵大学教授を主査とする研究者のチームで昨年3月より1年をかけて検討を行ってきました。
提言では、社会的背景として、①高等教育進学率が80%を超えている現状を踏まえて、親負担・受益者負担から公的負担へ転換し、希望するすべての人が高等教育で「学ぶ権利」が重要であること、②「人生100年時代」へ向けて「全世代」を対象とした高等教育への移行が重要な課題であること、③急速な少子化の一因となっている高等教育費の負担軽減が喫緊の課題であることを指摘しつつ、7つの提言を行っています。
具体的には、高等教育の授業料を半額とする(普遍主義的アプローチ)ことや、大学等修学支援法の対象者を年収600万円まで拡大(選別主義の改善)の両面から取り組んでいくことをはじめ、無利子や給付型の奨学金への加速、貸与型奨学金制度の改善を提起しています。また、高卒就職者や社会人の学び直しのための公立職業訓練校の拡充や、職業訓練と進学のニーズを満たす公立のコミュニティ・カレッジ(短大)を人口50万以上の都市に設置することなどを新たに提言に盛り込みました。
中央労福協は、この提言を受けて組織内でも討議を深め、今後の運動展開や政策への反映については4~5月に機関会議で確認した上で、取り組みを促進していく予定です。
1.「高等教育費の漸進的無償化と負担軽減へ向けての政策提言」
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2.補論・資料
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3.「高等教育費の漸進的無償化と負担軽減へ向けての政策提言」(概要版)
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