中央労福協は連続講座「『つながる経済』で社会を変える!」の第3回を11月14日に開催し、東京大学社会科学研究所の水町勇一郎教授を講師に、連合の村上陽子副事務局長との対話で「フリーランス保護をめぐる世界の流れと日本の法政策」について学んだ。
日本では「フリーランス」の問題として注目されているが、欧米では「プラットフォーム・ワーカー」の問題として「今日の世界の労働法の最重要課題」(水町氏)となっている。水町氏によるとその背景には、コストが安い使いやすい労働形態のひとつとして疑似労働者が増えてきた(第2の非正規問題)ことや、デジタル化が進展してプラットフォーマーが提供するアプリの指示で働く人たちが増加し、その多くは業務委託契約による自営業者として取り扱われ、今までの法制では対応できなくなっていることがある。
日本では2021年3月に「フリーランス・ガイドライン」が政府で策定され、2023年4月にフリーランス保護法が制定(来年施行)されたことにより法的ルールの明確性や実効性を高めるなどの前進があった。一方で、労働法・社会保障法の適用対象である「労働者」に該当するか否か、実態に基づいた判例の積み重ねや政策ルールづくりにより労働者としての保護を受けられるようにしていくこと、「労働者」に該当しないフリーランスにもセーフティネットをさらに整備していくことが課題として残されていることについて学んだ。
最後にお二方より、「法律は正しく理解し、思い切り使おう!」(村上氏)、「労働が多様化しビジネスによる分断が進む中で、労働組合や企業を超えてつながっていく国民連帯を!」(水町氏)とのメッセージをいただき、締めくくった。
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