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高等教育費の漸進的無償化と負担軽減を!政策提言とアンケート調査報告に関する記者会見を開催

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2023年3月10日

 

 中央労福協は、3月8日(水)16:00~文部科学記者会で「高等教育費の漸進的無償化と負担軽減へ向けての政策提言」および「奨学金に関するアンケート調査」の結果について記者会見を行った。会見には、中央労福協が設置した「高等教育費負担軽減へ向けての研究チーム」の主査である大内裕和武蔵大学教授、委員の小澤浩明東洋大学教授、中央労福協の南部美智代事務局長が対応し、会場にはNHKをはじめ9社から12名の報道関係者が参加した。

 最初に、チームがまとめた政策提言について、大内教授が提言にいたる社会的背景と7つの政策提言の詳細を説明した。社会的背景として、①高等教育進学率が80%を超えている現状を踏まえて、親負担・受益者負担から公的負担へ転換し、希望するすべての人が高等教育で「学ぶ権利」が重要であること、②「人生100年時代」へ向けて「全世代」を対象とした高等教育への移行が重要な課題であること、③急速な少子化の一因となっている高等教育費の負担軽減が喫緊の課題であること指摘しつつ、以下、7つの提言をまとめた。

 具体的には、高等教育の授業料を半額とする(普遍主義的アプローチ)ことや、大学等修学支援法の対象者を年収600万円まで拡大(選別主義の改善)の両面から取り組んでいくことをはじめ、無利子や給付型の奨学金への加速、貸与型奨学金制度の改善を提起。また、高卒就職者や社会人の学び直しのための公立職業訓練校の拡充や、職業訓練と進学のニーズを満たす公立のコミュニティ・カレッジ(短大)を人口50万以上の都市に設置することなどを提言に盛り込んでいる。

 続いて、中央労福協の南部事務局長から、中央労福協が2022年9月に実施した「奨学金に関するアンケート調査」の結果について説明、①前回調査(2015年、2018年)と同様、奨学金返済が「結婚」「出産」「子育て」に影響をおよぼしており、新たに「日常的な食事」や「医療機関の受診」など、健康面にまで影響が及んでいること、②返済が苦しいと回答する人が半数にも及び、コロナ禍で返済が苦しくなった層も一定程度確認できたこと、③8割以上が将来の教育費負担に不安を抱えていること、④政府が2024年度より導入を予定している大学院授業料後払い制度(出世払い)の導入にあたっては、出世のイメージが平均700万円を超えていること、⑤返済負担の支援策として税制支援を求める声が多いことなどが今回のアンケート調査で明らかになった。

  今後、本政策提言を文部科学省や関係省庁、政党等へ送付するなど、実現をめざして取り組んでいく。

 

資料は以下よりダウンロードできます。

・ 高等教育費の漸進的無償化と負担軽減へ向けての政策提言(2023年3月8日発表)

・ 「教育費負担軽減へ向けての研究会」提言の補論・資料(2023年3月8日発表)

・ 「教育費負担軽減へ向けての研究会」提言の概要版(2023年3月8日発表)

・ 奨学金や教育費負担に関するアンケート調査(2022年9月調査)調査結果のポイント

・ 奨学金や教育費負担に関するアンケート調査(2022年9月調査)調査報告書(詳細版)

・ 奨学金や教育費負担に関するアンケート調査(2022年9月調査)調査結果のリーフレット

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