第6回(179号/7月号)最終回
労福協運動に学び 格差・貧困解消のための政策・制度実現を
● 現場に寄りそった政策・制度に関する要求と提言
北海道では14ブロック労福協が連携を深めながら運動を展開しています。その中でも「政策・制度要求」は、重要な柱です。中央労福協における議論を情報提供しつつ、「北海道の政策・制度要求」策定のため、ブロックや事業団体をはじめとした構成団体などに参画してもらいます。地域や事業団体の課題を共有化し、独自要求として対道交渉や振興局(道の出先機関)要請を行います。胆振東部地震対応、奨学金制度対策、SS過疎対策、LPガス価格格差解消、広域医療の体制確立、福祉灯油制度など身の周りの解決すべき課題は山積しています。
現場の課題に向き合う政策制度要求の取り組みこそが、「すべての働く人の幸せと豊かさをめざして、連帯・協同で安心・共生の福祉社会をつくる」理念実現の一丁目一番地であると確信しています。
● 人的・財政的課題の解決めざして (組織財政検討委員会の議論から)
こうした地域での運動を保証するためにも、「人的・財政的課題の解決」が喫緊の課題です。労福協内に設置した組織財政検討委員会では、「地域における交付金を含めた事務局運営費の確保」と「事務局運営に関わる人材確保のために退職者連合や事業団体ОBとの連携」に焦点化し、議論を進めています。今後の方向性としては、ともすると効率性を強調した縮小論に陥ることなく、地域における労福協運動の定着・拡大をめざして、人的・財政的基盤確立という観点で議論を深め、試行錯誤をしていかなければならないと考えています。
● 労福協運動に学び さらなる進化・深化を求めて
北海道の実践を紹介したいともがきつつ、あっという間の最終稿となってしまいました。表現力の不十分さに反省しきりです。
この間、「安心・安全とは程遠いセーフティーネット破壊の現実」を目の当たりにしてきました。「いのち・くらしの尊厳を大切にする社会」の実現を切望する毎日でもありました。それは残念ながら現在進行形です。
先輩たちが創り上げてきた労福協運動に学びつつ、現在を生きる一人として「不条理を許さない」運動に微力ながら参画していくことを決意して結びとします。
2021年度勤労者・道民の福祉向上にかかわる要請書の提出(出村理事長・土屋副知事)(2020.10.21)
2021年度勤労者・道民の福祉向上にかかわる要請書の趣旨説明(2020.10.21)
小関 顕太郎 さん
北海道労働者福祉協議会 前副理事長兼事務局長
1955年 北海道増毛町生まれ。
北海道教職員組合専従執行委員等を22年間経験。その後、2016年より北海道労働者福祉協議会の副理事長兼事務局長を勤める。2020年の総会をもって退任し、以降、北海道勤労者住宅生活協同組合の理事長として、労福協副理事長の任も担いながら現在に至る。
北海道労福協在任中は、「労働金庫全道推進会議事務局長」「労済運動推進会議事務局長」として、関係団体・事務局の皆さんの多大な協力のもと、労金運動・労済運動の推進役を果たすことができました。また、連合北海道や各地域協議会の応援をいただきながら、「勤労者福祉向上キャンペーン」(政策制度要求を含む)を全道展開しました。