活動方針

2001年度活動方針

まえがき

―活動方針をまとめるにあたって―

いよいよ新世紀・<21世紀>に向かって労福協活動の第1歩を踏み出しました。
 この新しい世紀の100年の間に私たちを取り巻く社会環境がどう変化するのか、前世紀の激変の状況を見ていると、今世紀の初めでは想像することすらできません。20世紀はそれまでの世紀・100年に比べて特に科学技術のすさまじい進展により世界の広さを変えました。

 一人の人間が空を飛ぶ夢をプロペラを廻して実現したことに始まったのが、ジェットエンジンで500人を超える人を乗せ10,000mもの上空を飛ぶ大型航空機により数時間で世界各地をかけめぐる時代になっています。

 宇宙の夢にいたっては第2次世界大戦中のフォンブラウンのV2ロケット開発から1957年にはソ連(当時)のスプートニク1号が月に到達、その12年後にはアメリカアポロ計画により100時間の月面生活の実現。2000年にはスペースシャトルによる「宇宙ステーション」建設が進められる中、2人の飛行士がステーション内で21世紀を迎えるという「宇宙時代」はわずか半世紀の中の出来事でした。

 「情報化時代」の足跡に至っては、真空管の発明からトランジスタ時代を経て現在の超高度集積回路開発による電子機器の発展へと、「線」の中を通る情報から「宇宙」経由の情報になり、私達の目に見えない空間を情報が飛びかい瞬時に世界をかけめぐる「IT革命」の時代になりました。
人類の英知の進展は計りしれないものがあります。

 この激動の20世紀の中で中央労福協は50年にわたり「勤労者福祉の向上のために」地道な活動の足跡をきざんできました。

 その50年の節目の年に「中央労福協・あり方検討委員会」が設置され、2ヶ月弱の短期間の中で本委員会、3小委員会(労働組合等連絡会議、事業団体連絡会議、地方労福協連絡会議)で精力的な検討を頂き「答申書」としてまとめられ、昨年12月の三役会議に答申されました。
 この答申書は多岐にわたる視点から中央労福協に対する示唆を頂いていますが、多くの課題の中から、とり合えず初年度として「今年1年間の実活動」にしぼり込んで反映するとともに、次年度にむけて検討を加える事項をも含めて「活動方針」としました。
 21世紀の初頭の時代は1年を「ドッグイヤー」と呼ばれ、1年=7年というように従来にない速さで進展するといわれています。
 しかしどんなに時の移りの速さが科学技術の進展によりもたらされたとしても、大きな地球の前にはまだまだ「人間の力」は無力です。近年多発している噴火・地震・洪水等々の「自然災害」に対する畏怖の念は原始の時から変わりません。
 私たち労福協運動は、どんなに時代が変わろうとも、あくまでも勤労者・生活者の福祉=幸せ向上のために公助を要求し、共助・自助で支え合いながら一歩一歩目的に向かって地道に歩を進めていくことが肝要です。
 「人間」のため夢のある福祉社会構築のために21世紀への第一歩を踏み出しましょう。

21世紀・活動の第一歩

1.生涯生活・安定向上をめざして

 21世紀を迎え、勤労者が安心して子育てをしながら働き豊かな老後をすごすためには、公的保障を基盤に協同組合等の力も活用しながら生涯生活を総合的にサポートする社会・経済システムが求められています。また、食の安全や地球環境問題など、これまでのライフスタイルの見直しも重要な課題となっています。
 こうした課題に対応し、本年度は以下の活動に重点的に取り組みます。

(1)介護保険施行1年のフォローアップ
 介護保険が施行されて1年を迎えます。当初から言われていたように保険者である市町村の基盤・施設・体制が充分整備されないままのスタートによる地域のバラツキが顕著に現れてきています。関係諸団体と連携し1年経過後の問題点を集約するための調査活動を展開し、新たな取り組み課題を提起していきます。
また、全労済や生協等の事業団体の介護サービス事業に対しても提携支援を行い、ホームヘルパー養成等、先進地方労福協を参考に活動の輪を広めます。
(2)ファミリーサポートセンターの設置拡大と助成の強化
 少子化対策の一つとして働く女性の育児援助を目的として現在全国88ヶ所設置されています。現センターは設置数の少なさから利用者の利便性に欠ける面もあり、各自治体の要望にそった設置拡大を働きかけていきます。あわせて既に設置された所は利用者の利便性も含め運営改善や助成の充実をはかり、男女共同参画社会をめざします。
(3)労働者福祉事業団体の連携と育成強化
 中央労福協に集う労働者福祉団体は20世紀に多くの勤労者により生み育てられてきました。21世紀にさらに大きく発展していくために中央労福協はコーディネーターの役割を果たしながら労働者福祉団体間の連携を強化します。
また、事業団体と中央・地方の労働組合との連帯を強め、労働組合の福祉活動として労働者福祉事業団体への加盟推進をはかり、職域・地域での労働者福祉ネットワークを拡充します。
(4)財産形成貯蓄制度の改善と確定拠出型年金制度への対応
 少子・高齢化の進展や勤労者のライフスタイルの変化および企業における退職金の変動に対応して、自助努力型年金の役割が高まっている中、魅力ある財産形成貯蓄制度にしなければなりません。旧来参画してきた「財形審」が2001年から廃止されましたが、これに代わる労働政策審議会・「勤労者生活分科会」(公8名、労・使各5名の構成)に引き続き参画し、制度改善を関係省庁や政党に働きかけます。
なお、確定拠出型年金制度については、法案上程され継続審議となっていますが、今後も利用者保護等の諸課題について関係団体と連携し、調整をはかり取り組みます。
(5)「被災者住宅再建支援制度」の早期法制化
 98年5月に「被災者生活支援法」が成立しました。
しかし自然災害多発の中で、被災者にとって生活再建に欠くことができない大きな課題として「住宅再建支援」が残されています。今日まで「自然災害被災者支援促進協議会」を四団体(全労済グループ、日本生協連、連合、兵庫県)で発足させ、超党派国会議員による「自然災害議連」と連携をはかりながら立法化にむけて積極的な取り組みをしてきました。「被災者住宅再建支援制度」法制化がこの151通常国会で実現するように関係先にはたらきかけます。
また、住宅保障の共済制度である全労済の「自然災害保障付き火災共済」の普及推進に協力し、公助・共助・自助の三位一体となった保障制度の確立をめざします。
(6)食の安全と環境保全
 「食の安全」を守るために中央・地方一体となって署名運動を展開し広く国民に理解を求めてきましたが、消費者の視点に立った「食品衛生法」に改正されるよう国会内外の諸行動を展開します。
また、地球環境にやさしい資源循環型の社会経済システムへの転換をめざし、「ライフスタイルの見直しを考える環境会議」や生協の環境保全活動と連携し、広範な国民運動の展開に向けて取り組みます。
(7)OB・シルバー対策
 長寿・高齢化が進む中で、OB・シルバー対策は今後の労福協運動にとって重要な課題です。退職により職場を離れても、それぞれの地域の中で「生涯組合員」として結集していかねばなりません。そのため、労働組合・地方労福協が連携して退職前から年金や介護保険の学習を通じて協同事業団体との生涯取引で豊かな老後の生きがいづくりに役立つプランナーとしての活動を積極的に展開することが重要です。

  • (1)中央労福協は連合の「高退連」と連携をはかりながら、地域での退職者・高齢者団体の組織拡充を行い、地域福祉活動のネットワーク化を推進します。
  • (2)労福協は退職者・高齢者のニーズに基づく各種活動を通じて事業団体・労働団体・地域団体等の各種「退職者・高齢者団体」の交流を深め、活動分野を調整しながら地域における高齢者活動の活性化をはかります。

2.中小企業勤労者の福祉拡充にむけて

 日本の就業者数は6,400万人余であり、その80%が中小企業に就業しているといわれています。現在、推定組織率は21.5%と低下しており、組織されている労働者は1,300万人にすぎません。このことは多くの中小企業に働く勤労者にとっては、労働条件向上や勤労者福祉向上といった問題が直接労働団体による手を差し伸べられない状況にあります。また、大企業勤労者と中小企業勤労者の格差が賃金で8割、退職金で5割、法定外福利では3割と大きな格差が存在しています。低迷している現在の経済状況下ではさらに格差は拡大すると思われます。この大きな格差是正のために労福協運動が重要な役割りを果たさなければならないことを示しています。
 中央・地方労福協一丸となって中小未組織勤労者の福祉拡充に向かってさらに力を注がなければなりません。

(1)中小企業サービスセンターの充実
  • (1)制度実施後10数年経過した今も未設置県ないし国庫補助を受けていない県は10県あります。未設置県に対し、関係省庁、首長、議会等に働きかけて早急に解決をはかるため、中央・地方一体となったオルグ活動を行います。
  • (2)既設置県においても内容再点検し充実をはかるとともに、「数のメリット」をより生かせるべく会員拡大運動を展開し、サービスセンターの自立を促進します。
  • (3)サービスセンター等を通じて事業団体の労働福祉運動の輪を広げます。
  • (4)「地方労福協のサービスセンターへの取り組みの調査」(2年毎)を実施します。
(2)中小企業勤労者福祉の向上のために
  • (1)中小企業退職金共済制度のさらなる改善向上に向けて、中央省庁に意見具申を行います。従来から参画してきた「中退審」は省庁統合で2001年から廃止されましたが、これに代わる「中小企業退職金共済部会」(公・労・使各5名構成)の場で引き続き意見を述べていきます。
  • (2)中小企業経営者団体との対話の場づくりを進めます。具体的には、日本商工会議所(日商)、東京商工会議所(東商)、中小企業団体中央会(中央会)等と中央労福協との間で団体毎の会合を持ち、中小企業勤労者の福利厚生の向上について協議をし相互理解を深めます。

3.政策・制度要求実現のために

 厚生省と労働省が「厚生労働省」となったように、本年より1府22省庁から1府12省庁に統合され、各事業団体関連省庁が一元化されたように見えます。しかし、長年にわたる日本の縦割り行政実態から窓口行政が複雑化・集権化が生じることが心配されます。
 中央労福協は「政策委員会」を設置し、政策・制度要求の実現にむけて取り組みを強化していきます。

  • (1)早期に新省庁対策を講じ、新たな窓口との関係を確立し、意見交換を行うとともに情報収集に努めます。
  • (2)政党との連携をより密にするために、政党窓口担当者と定期会合を持ち意思の疎通をはかります。また、関係議員とは日常の連携活動の中で労福協運動に対して理解と協力関係を深めます。
  • (3)中央労福協の政策・制度要求については、「政策委員会」の中で事業団体等の要求をとりまとめ、連合と調整をはかりながら各中央省庁・関係政党に対して要求活動を展開します。

4.国際交流の取り組み

 国際交流が一般化した現在、それぞれの団体がそれぞれのチャネルで交流を実施しています。旧来中央労福協に求められてきた国際交流の窓口の役割等について、現在の国際情勢に合致させるためにも、他の国際交流団体と協議し役割を整理する必要が生じています。

(1)二国間交流・中国交流について
 「連合」と「中国総工会」の両ナショナルセンターの間に1998年交流協定が締結されました。また、地方労福協も姉妹都市等を通じて活発な交流をしています。
このように内外の状況変化の中で中央労福協は関係各団体と調整し役割を整理する必要が生じてきました。日中技能者交流センター、国際交流センター、連合等の関係団体と協議し、国際委員会の場で新たな関係構築の検討を行います。(例 中央労福協と中国職工対外交流センター)
(2)研修視察団の派遣
 本年度も加盟団体のニーズに応えヨーロッパ(2コース)、中国(1コース)の視察研修団を派遣します。内容等については国際委員会で検討しますが、地方労福協、事業団体と協議しながら内容充実をはかります。

労福協の活動基盤整備にむけて

1.活動の原点・構成団体とともに

(1)労働団体とともに
 労福協運動は文字通り労働団体が立ち上げ、労働団体の運動路線は違っても「労働者福祉は一つ」という強い理念で育成され、50年の歴史を築いてきました。
 しかし、1989年「連合」の結成により1つのナショナルセンターに結集され、以来11年が経過する中で中央労福協の「労働団体の調整機能」の役割が弱まるとともに、産業別労働組合の中央労福協に対する認識も次第に薄らいできています。
 21世紀に立った今こそ労働団体との関係を原点に立ち帰り「労働者福祉推進母体の中央労福協」として新時代にむけて力強く発進していかねばなりません。

(1)「連合」との機能と役割分担
連合運動と労福協運動との役割分担や機能について調整していくことは極めて重要です。このため、中央労福協と連合事務局長・関係総合局長の協議の場として「連絡会議」(仮称)を設置します。
(2)「産業別労働組合」会員の拡大
「産業別労働組合が中央労福協を支えている」の原点に立って、各産業別労働組合の共済事業団体との連携強化をはかっていきます。その視点から「未加盟産業別労働組合」の会員拡大に取り組みます。
(2)事業団体とともに
 中央労福協を構成している多くの事業団体は、戦後労働運動の発展過程で創設され発展してきました。
多くの協同事業団体は成長発展し体制も整備され、それぞれの専門分野で労働福祉運動を推進しています。 しかしその一方で、事業団体を取り巻く環境変化の中でその存続を問われている団体も出てきており、全体的に厳しい環境下に置かれています。
また、「市場主義」による経済運営にかげりが見られ、新時代に対して協同組合事業が改めて注目されようとしている今日、労福協と事業団体がさらに連携を強化する必要があります。

  • (1)各事業団体連携のため、充実した情報の収集や提供を行います。
  • (2)各事業団体の制度要求等については、政策委員会の場で取りまとめ、中央労福協の政策・制度要求として関係先に強く働きかけます。
  • (3)会館協・旅行会等の地域色の強い団体に対しては、地方労福協との連携により地域ニーズに応えつつ対応します。
(3)地方労福協とともに
 地方労福協は、各都道府県において地域特性を発揮しながら、勤労者生活により密着した実践的な活動を展開しています。
地方労福協活動をさらに発展活性化をはかるため、さらに連携を強めます。

  • (1)「情報化時代」に対応したネットワークづくりを進め、情報の収集と発信を行います。
  • (2)地方・中央の労福協活動の協議の場として「ブロック代表者会議」を位置づけ、意志の疎通をはかるため随時開催します。
  • (3)地方・地域活動に資するために基礎資料として活用されてきた「実態調査資料」(3年毎調査改訂)作成のため、本年は調査活動を実施します。

2.活動の強化・充実にむけて

(1)各種会議の整備と充実
 会議が多岐にわたって開催され運営されていますが、決議機関、運営執行機関、協議・情報交換機関の性格があいまいな部分もあり、「規約改正」の必要な部分もあります。過渡的に本年度は取り合えず従前通りの開催としますが、運営の中で改善点を見いだし、次期総会で規約改正をはかります。

(1)総会、三役会議、幹事会について
1.総会
中央労福協の最高の意志決定機関であり、各団体における大会・総会の性格と同義であるが、総会構成代議員数等について不明確な点もあり、役員改選年度を含め開催年次(隔年開催)等も検討します。
2.幹事会
幹事会は総会に次ぐ議決機関として位置づけられています。現行規約では三役も含めて幹事会を構成し、役員会としての性格と労働団体でいう「中央委員会」としての性格をあわせもっています。全加盟組織で構成されているため、あらかじめ年初設定の定時期開催にならざるを得ません。三役会での一部先行議決で補完を行いながら運営し、次年度にむけて運営構成等についても検討していきます。
3.三役会
総会の意を受けた執行機関と位置づけ、諸活動の具現化をはかり幹事会等への提案を行います。なお、幹事会までの間、緊急を要する事案については議決を行い、至近の「幹事会」で承認を得ます。
(2)各種連絡会議の運営について
1.地方労福協ブロック代表者会議
中央労福協と地方労福協の情報交換や連携は、現在の5ブロック単位で運営します。各ブロックの意見反映のため必要の都度ブロック代表者会議を開催します。また、それぞれのブロックで開催されるブロック幹事会等には中央労福協担当者が出席し、日常の意志疎通をはかります。
2.地方労福協連絡会議
現行通り年2回開催しますが、会議内容を検討し研修会的な性格を強めます。
3.事業団体連絡会議
現行通り年3回開催します。会議運営の改善をはかるとともに、検討課題によってはオブザーバーの参加を求める等の内容の充実をはかります。
4.労働組合等連絡会議
政策・制度要求、活動方針の検討時期を基本として年2回開催します。現行加盟産別労組より登録された「幹事」運営となっている現行運営を基本としますが、サブ登録等によって会議の充実をはかります。連合諸会議等に連動した労働団体代表者会議を必要により開催します。
(2)専門委員会の設置
 当面する中央労福協の運営や諸課題について検討するため、三役会の諮問機関として次の専門委員会を設置します。各委員会の構成は10名以内の小数構成としメンバーについては各団体に選出を依頼していきます。

(1)政策委員会
  1. 事業団体の政策・制度要求の取りまとめ、対応策の検討
  2. 中央労福協あり方検討委員会答申の具現化(中央労福協活動の再点検)
  3. その他
(2)組織財政委員会
  1. 規約・規定の見直しと改正
  2. 一般会計、特別会計の検討(刊行物会計の要否等)
  3. 各団体間の「IT時代」のネットワーク化の検討
  4. 加盟組織拡大対策
  5. その他
(3)国際委員会
  1. 国際交流に関して他団体間との情報交換
  2. 従来の交流について再検討
  3. 欧州視察、中国視察の企画
  4. その他
(3)研修・広報活動の充実
(1)研修活動
  1. 全国研究集会の充実
    中央労福協の諸課題を周知するとともに、会員団体の交流の場づくりのために本年も春秋年2回開催しますが、参加者数が数名に低下している団体もあり、運営に当たってはテーマのしぼり込みを行う等の検討・工夫を加え、それぞれの集会の内容に変化をもたせます。
  2. 地方労福協事務担当者研修会の開催(新設)
    事務局研修等は各ブロック単位で実施されていますが、本年は中央で一堂に会した「全国事務担当者会議」を東京で開催し、中央労福協に対する理解をより深めるとともに担当者間の意志疎通をはかり、情報化時代に向かっての情報ネット化の取り組みに対して意見交換します。
(2)広報活動の見直し
中央労福協は従来、紙・誌を広報活動の中心に据え活動を行ってきました。しかし「IT時代」といわれている今日、より迅速な情報発信を求められ、情報発信のあり方に早急な改善を要します。このため、インターネットを活用した情報ネットワークづくりを進めるとともに、既存の情報紙・誌についてもその目的と役割を明確にし、内容の改善をはかります。
なお、現行刊行物は無償(会報)と有償(福祉情報、社保一覧)に分類され、一般会計と刊行物会計で取り扱っていますが、本年は規定改訂は行わず「刊行物会計」を凍結し、配布部数の点検調整を行いながら無償配布とし「一般会計」対応を試行します。

1.リアルタイムの情報発信

a)ホームページの開設
中央労福協ホームページを開設し、労福協の政策や運動課題をはじめ社会保障制度や事業団体商品に関する情報など、勤労者福祉に関する総合的な情報サービスの提供をめざします。そのため、関係団体の協力を得て情報収集・整理の体制づくりに着手します。また、先行する地方労福協とも連携し、中央・地方におけるホームページ登録情報の役割分担やリンクのあり方など、全国的なネットワークの構築にむけた検討を進めます。

b)「FAXニュース」
タイムリーな情報として「FAXニュース」を発信します。

2.情報紙・誌の改善

a)「会報」
地方労福協の活動紹介や事業団体の宣伝、社会保障や助成金の解説・利用情報の提供なども含め、編集内容の改善をはかります。

b)「勤労者福祉情報」
政策情報誌として定例発行(月刊)をめざしてきましたが、専従スタッフ数の現状からも定例刊行は困難な状況であります。今後は「求められている政策情報」の的確な把握を行う中でテーマのしぼり込みを行うなど、編集内容を改善し随時発刊します。

c)「現行社会保険制度の要点」
8月1日末現在の制度内容をもとに発行します。なお、団体毎の要望部数にバラツキが大きいため、部数調整を行い無償部数と有償部数の区分を検討します。また、内容についてはホームページにも掲載します。

(3)税務対策
中央での税務サポート研修会は終了しましたが、税理士との契約を行いながら税務相談窓口を常設します。地方における税務研修会開催等の諸活動に対してバックアップ体制を強化します。
(4)勤労者福祉強化月間の取り組み
10~11月を中心に「勤労者福祉強化月間」を設定し、重点課題に取り組みます。中央・地方の役割分担を明確にしながら運営の改善を検討します。
(5)NPO・NGO団体との連携
1995年の阪神大震災を契機に我が国にもボランティア活動が注目され、また、それらの活動の中から多くのNPO(非営利団体)やNGO(非政府組織)が立ち上げられました。また、この間に法制化もされてきました。法に基いて登録された団体もありますが、未登録の団体も多く総数は数万と言われ総数の把握は困難です。このような状況の中にあって労働団体や事業団体がそれぞれの活動の中からこれらの団体と連携を深めてきています。
中央労福協は労働団体や事業団体とともにこれらのNPO団体と部分的に連携してきました。多くのNPO団体の中から労福協運動とともに活動しあえる諸団体との間に「共同のテーブル」を置き、コーディネートしながらNPO団体と連携の輪を広げ、本年の「ボランティア国際年」の活動に協同します。

3.事務局体制と業務について

(1)事務局業務について
  • (1)本年も事務局長以下5名の体制で、構成団体出向職員と専従職員1名の構成で運営することとします。なお、業務量増に対しては関連人材派遣会社よりの派遣もしくはパートタイマーによる要員補充で対応します。しかし、労福協運動継承の視点から事務局構成のあり方については今後検討を深めていきます。
  • (2)PC機1人1台設置完了に伴い「IT時代」の受・発信に向け取扱い技能の高度化をめざします。また、事務局の情報共有化によるペーパーレスを推進します。
    また、地方労福協とのネットワークづくりの検討を進めます。
(2)株式会社CR&Dについて
 1996年に設立した中央労福協の調査研究機関(株)CR&Dについては、税務サポート対策や労組法人税務ソフトの開発等を委託してきました。2000年度末の中央労福協委託業務の終了をもって(株)CR&Dは閉じる方向にあり、今後の調査研究は中央労福協で行い必要により各種研究機関等に委託します。
(3)地方労福協とともに
 地方労福協は、各都道府県において地域特性を発揮しながら、勤労者生活により密着した実践的な活動を展開しています。
地方労福協活動をさらに発展活性化をはかるため、さらに連携を強めます。

  • (1)「情報化時代」に対応したネットワークづくりを進め、情報の収集と発信を行います。
  • (2)地方・中央の労福協活動の協議の場として「ブロック代表者会議」を位置づけ、意志の疎通をはかるため随時開催します。
  • (3)地方・地域活動に資するために基礎資料として活用されてきた「実態調査資料」(3年毎調査改訂)作成のため、本年は調査活動を実施します。

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