活動方針

2018~2019年度活動方針

総論(運動の基調)

1.2016年~2017年度の活動を振り返って

 中央労福協は、2016年~2017年度活動方針において、①社会的連帯を深める運動と政策の実現、②暮らしの総合支援(ライフサポート)の深化、③協同事業、労働者福祉運動の基盤強化を柱に活動を進めてきました。具体的には、奨学金問題の改善、生活困窮者自立支援制度の構築と社会的包摂の推進、利用促進・共助拡大です。これらの課題については、毎年実施する「生活底上げ・福祉強化キャンペーン」の全国共通テーマとして取り組みました。
 以下、2年間の活動を振り返ります。

(1)社会的連帯を深める運動と政策の実現
 2015年4月より取り組んだ奨学金問題の改善については、中央労福協加盟団体が結束し総力を挙げて取り組んだ結果、給付型奨学金制度の創設が実現しました。運動の大きな成果です。ただし、制度内容は不十分であり、さらなる拡充と現行制度の改善、教育費負担の軽減など課題は残されています。
また、他団体との連携で、司法修習生に対する経済的支援(修習給付金)やホームレス自立支援法改正で法律の10年延長も実現しました。
 この2年間、政策課題を絞り込み、中央労福協が主体となる運動と他団体と連携した運動とのメリハリをつけたこと、獲得目標を明確にしたことが、運動の“わかりやすさ”につながり多くの人の共感を得ることができたと考えます。また運動を通じて、中央・地方労福協と連合、他団体との連携とネットワークが広がったことも大きな成果です。
(2)暮らしの総合支援(ライフサポート)と広がるネットワーク
 ライフサポート事業は、連合の地域組織化へ向けた取り組みを契機として、2005年の連合・中央労福協・労金協会・全労済の4団体の合意・確認にもとづき4団体の事業としてスタートしました。以来10年余を経て、事業は地域に定着し、2015年に引き続き推進していくことを「当面の確認事項」として確認しました。
 しかし、時間の経過とともに4団体合意と責任体制のあり方について、各団体内での継承が薄れつつあることや、運営体制、財政、相談員の確保などに問題が生じています。今後、厚生労働省が進めている地域共生社会の構築や、2025年以降を見据えた地域包括ケアシステムの進展状況を把握しつつ、ライフサポート事業のあり方を4団体で協議することが必要になっています。
 地方労福協や福祉事業団体において、生活困窮者自立支援の事業受託や、母子家庭への就労・子育て支援、婚活事業、中小企業勤労者の福利厚生事業など、労働組合、行政やNPO等と連携し、地域に密着した活動が広がっています。地方労福協は様々な団体間をつなぎ、コーディネーターとしての役割を発揮しつつ、地域で多種多様な活動を展開しています。労福協全体で先進事例を共有化し、取り組みをさらに広げることが今後の課題です。
(3)協同事業の利用促進・共助拡大、労働者自主福祉運動の基盤強化
 協同事業、労働者自主福祉運動の基盤強化に向けて、テキストを作成し、中央労福協や労働金庫、全労済の創設の歴史、社会的意義、労働者自主福祉運動の重要性について、事業団体や産別での学習会を推進してきました。「理念・歴史・リーダー養成講座」の開催は、地方ブロックから地方労福協に広がっています。
 中央労福協、労金運動中央推進会議、全労済中央推進会議の三者による加盟労働団体訪問も定着し、労働者自主福祉運動や利用促進について、産別の運動方針に盛り込まれるなど前進しています。そのため、要請内容を見直す必要があるという指摘もあり、今後検討していくことが必要です。
 共助の輪に参加できていない人たちへ共助をどう広げていくかも、引き続きの課題となっています。
 また、労働者自主福祉運動の基盤強化、継承・発展のためには、女性の参画が不可欠です。労福協全体で女性の参画を促進する方策が求められています。
(4)大規模災害からの生活防衛と防災・減災対策の強化
 2011年3月の東日本大震災と福島原発事故は、多くの人に未曾有の被害をもたらし、未だ復興・再生は途半ばであり、インフラ整備とともに被災者の心のケアは継続課題です。地方労福協や福祉事業団体は「忘れない」支援活動を継続しています。国民全体の記憶が薄れつつある現状にあって、被災地に寄り添う支援を続けることが重要です。
 ここ数年、全国各地で地震や集中豪雨で家屋倒壊や、死亡者・被災者が増えており、被害は甚大です。防災・減災に関する意識の醸成と生活防衛、生活再建の取り組みが必要になっています。

2.変容する社会構造と、広がる格差・貧困、社会的孤立

(1)超少子・高齢、人口減少社会
 わが国の人口は2007年から減少に転じ、2016年の出生数は98.1万人となりました。1947年は268万人ですから、現在はその4割弱にすぎません。人口は、都市への集中が進み、地方は減少に歯止めがかからず、消滅する集落も増えています。地方は過疎化で疲弊し、行政や福祉サービスの維持が困難な自治体も出ています。空き家の問題も深刻化しています。
 少子化・人口減少の主な要因は、保育所の待機児童増加にみられるよう子育て支援が不十分であること、教育費や奨学金返済の負担、長時間労働などが指摘されています。持続可能な社会にするためにも、安心して子育てや学びができる環境の整備や、職場と家庭の両立支援を早急に進める必要があります。
 一方で、高齢化率は27.2%、平均寿命は、男性80歳、女性は87歳を超えています。平均寿命の延伸は喜ぶべきことですが、生活習慣病など長期間の治療が必要な高齢者や要介護者も増加しており、65歳以上の認知症は、2025年には730万人を超えると推計されています。特に要介護者、認知症は、大都市圏での増加が見込まれており、その体制整備、介護人材の確保が急がれます。
(2)格差・貧困、社会的孤立の主な要因は不安定雇用と低賃金
 1980年代後半から新自由主義にもとづくグローバル経済の進展によって市場万能主義が横行し、企業間競争の激化、労働分野の規制緩和による不安定雇用の増大、賃金引下げ競争(賃金ダンピング)が世界を席巻しました。その結果、競争に勝った一部の富裕層に富と権力が集中し、格差・貧困を拡大させてきました。
 日本も例外ではありません。非正規雇用者は4割に達しようとしています。平均賃金は、男性正規が約350万円、非正規は235万円、女性正規は262万円、非正規が189万円であり、雇用形態、性別によって賃金は大きな格差が生じています。そして全雇用者の2割強が200万円以下のワーキングプアです。さらに、親・保護者の経済格差は子どもの教育格差につながり、そのことがまた経済格差となり貧困の連鎖を生んでいます。 
 低賃金の影響は婚姻に現れており、30歳代の男性の婚姻率は、年収300万円以下では1割弱、300万円を越えると4割弱に上昇するという調査もあります。さらに、奨学金返済の負担の重さは結婚や子育てを躊躇させる要因になっていることが、中央労福協の調査(2015年)からも明らかになっています。
 2017~2018年の最低賃金は加重平均で848円であり、仮に年間2000時間働いても169.6万円にしかなりません。ワーキングプアをなくし、婚姻率が高まる年収300万円の水準まで最低賃金を引上げることが必要です。
 低賃金は婚姻に影響を与え少子化を招き、将来の低年金・無年金と高齢期の貧困につながります。
 直近の相対的貧困率や子どもの貧困率はそれぞれが低下しましたが、母子世帯の貧困率は5割を超えています。貧困世帯の児童虐待も深刻な問題です。また、単身高齢者世帯の増大や貧困化も進んでいます。   
 企業の内部留保は2009年時点で270兆円、直近では406兆円です。その一部を非正規雇用から正規への転換、賃金引上げに充てるべきです。
 貧困がもたらすもうひとつの問題は社会的孤立です。経済的な支援とともに、孤立させない「居場所」づくり、伴走型、寄り添い型の包括的な支援体制の整備が必要です。生活困窮者自立支援制度の拡充とともに、共助拡大の取り組み、労働者自主福祉運動を強めることが求められています。
(3)社会保障制度の再構築と所得再分配機能強化、真の「働き方改革」
 1990年代前半からバブル崩壊、アジア通貨危機、リーマンショックなどの経済危機の期間、いわゆる「失われた20年」で影響を最も受けたのは若者です。
 この間、人口減少や格差・貧困の拡大に対して、国民生活の安定を目的とする社会保障制度は十分に機能してきませんでした。なぜなら、現行の社会保障制度は人口増、経済成長、安定的雇用(終身雇用)、年功賃金、企業内福利厚生を前提としており、高齢者に重点を置いたシステムだからです。社会構造の変容、貧困化する若年層や女性など全世代・層に対応できるシステムへ転換することが急がれます。教育や住宅についても、家計の負担は限界に達しており、みんなで支え合う仕組みが必要です。
 また、富裕層への優遇税制、法人税の引下げなどで、税による再分配機能は低下しています。
 政府は、失業率の低下や有効求人倍率の上昇は、成長戦略の効果であり、景気は回復しつつあると喧伝していますが、勤労者には景気回復や生活向上の確実な実感はまだありません。労働現場では、長時間労働、パワハラなどで、過労死・過労自殺は後を絶たず、ブラック企業、ブラックバイトなども横行しています。
 日銀は2%の物価目標を掲げましたが、達成しないまま2016年1月に日本で初めての「マイナス金利」を導入しました。このことが、市中銀行のカードローンの過剰融資をさらに加速させる大きな要因にもなっています。
 政府がいま行うべきことは、格差を解消し貧困の連鎖を断ち切るために、社会保障・税を通じた所得再分配機能の強化と、ディーセントワークを確保する真の「働き方改革」、教育費負担の軽減、子ども・子育て支援の強化です。

3.共助の拡大で安心して暮らすことのできる地域づくり

 誰もが経済的困窮や社会的孤立に陥ることなく、豊かに安心して暮らすことのできる地域をつくるためには、政策・制度要求の活動とともに、「助け合い・支え合う」共助拡大の取り組みを地域の中に広げることが必要です。こうした取り組みは、「国連が2015年に採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」(注) による「誰もが取り残されない」世界を実現しようという世界的な運動とも相通じるものです。
 現在、生活保護や福祉、住宅など様々な制度の狭間で対応しきれない課題を複合的に抱えた人や家庭(世帯)が増えています。厚生労働省は、地域の資源(産業や公的機関、教育機関、市民団体、人材等)を活用して、「縦割り」を超えた相談支援体制整備や、多職種連携、行政と市民団体等とのネットワークをつなぎ、課題への対応・解決をめざす「地域共生社会」の構築を進めようとしています。
 厚生労働省のこうした取り組みを踏まえつつ、労福協は、長年にわたる共助拡大の取り組みの経験と実績を活かし、加盟団体間はもとより、地域における様々な団体との連携をはかるコーディネーターとしての役割発揮がさらに求められています。

4.2018~2019年度活動の方向性

 中央労福協は、安心して暮らせる社会、誰もが排除されることがなく「居場所」や「拠り所」のある社会、「助け合い、支え合い」を理念とする「連帯・協同でつくる安心・共生の福祉社会」(2020年ビジョン)の構築をめざして活動を進めてきました。2018~2019年度は、2020年ビジョンの最終年度にあたります。
 以上の認識に立ち、活動の柱は、①社会連帯を深める運動と政策の実現、②暮らしの総合支援(ライフサポート)の推進、③協同事業、労働者福祉運動の基盤強化の三本とし、残された課題に全力で取り組み、2年間の活動を進めていきます。

5.中央労福協設立70周年の記念事業について

 2019年はILO(国際労働機関)結成100周年、連合結成30周年、そして中央労福協は設立70周年を迎えます。
2019年に開催する第64回定期総会では、記念事業として『2020年ビジョン』を検証し、新たなビジョンを策定します。また、記念行事も行うこととし具体的内容については今後検討していきます。

各論

Ⅰ.社会的連帯を深める運動と政策の実現

1.貧困や多重債務のない持続可能な社会に向けて

(1)奨学金制度改善・教育費負担軽減の取り組み
  • ① これまでの運動の成果と課題を踏まえ、2018年通常国会まで第4ステージの取り組みを展開します。
    • a) 2018年4月より本格実施される給付型奨学金制度を円滑にスタートさせ、さらに拡充に向けた軌道に乗せるよう、政府や日本学生支援機構への働きかけを行います。
    • b) 無利子奨学金の大幅な拡充を求めるとともに、2017年度よりスタートした所得連動返還型奨学金制度の改善など、返済者の負担軽減や救済制度の拡充に取り組みます。
    • c) 日本学生支援機構法改正にあたり国会で採択された附帯決議の内容を確実に実行し、教育の格差是正と教育費負担の軽減につなげることをめざします。具体的には、給付型奨学金制度の拡充をはじめ、貸与型奨学金制度の改善、学費を含む教育費負担の軽減、制度の周知・体制整備と当事者参加を求め、世論を喚起し、政府や国会に働きかけます。
    • d) これまでの運動で培った様々な団体との関係を活かしつつ、地域において奨学金制度の改善や教育費負担の軽減のためのネットワークづくりを進めます。
  • ② 第4ステージ終了後、給付型奨学金制度の実現を運動の節目として、第2期の「奨学金制度改善・教育費負担軽減」の取り組みをスタートさせます。第4ステージまでの取り組みの結果も踏まえ、給付型奨学金制度の施行5年後の見直し(2022年/前倒しも含む)までの期間を中期的なゾーンとして、政府や各党の教育無償化論議の動向も見ながら、獲得目標を再整理し、より広範な社会運動による政策実現をめざします。
  • ③ 取り組みを推進するにあたっては、引き続き奨学金問題対策委員会において、運動の企画や労福協関係団体の取り組みの調整を行います。また、教育費の公私の負担のあり方などについて勉強会を重ね、論点整理や今後の方向性や方針についての検討を進めます。
  • ④ 全期間を通じて、政策・制度の改善とあわせて、労働者自主福祉としての取り組みも進めます。
    • a) 各地域において奨学金に関する相談に応じられるような体制を、行政、法律家等の専門家とも連携しつつ、適切な役割分担のもとに整備していきます。中央においても、相談員養成研修会の継続実施や法律家のバックアップ体制の調整など、支援を行っていきます。
    • b) 学生・教員等への啓発活動や自主福祉活動(金融・奨学事業など)、企業内の福利厚生の一環として奨学金返済者への支援策など、奨学金問題対策委員会での検討や事例の収集・紹介をはじめ、関係団体と連携して、具体化したものから取り組みます。
(2)生活困窮者自立支援制度の拡充と社会的包摂の推進
  • ① 生活困窮者自立支援制度の施行3年後の見直しに対応し、以下の観点から、2018年通常国会での生活困窮者自立支援法の改正や制度改善をめざします。
    • a) 支援メニューの拡大(就労支援、家計相談支援などの必須事業化)
    • b) 対象者の拡大(社会的孤立や高齢者等への対応)
    • c) 財政基盤の確立(国の補助の引き上げ)
    • d) 制度を担う人材の育成(相談員・支援員の養成・確保、雇用の安定化)
    • e) 地域で支える体制と仕組みづくり(受け皿となる企業、協同組合、社会的企業へのインセンティブの確保)
    • f) 支援を実効化するための制度改善(就労支援期間中の生活支援給付、交通費等の実費支給、住居確保給付金の拡充など)
  • ② 法改正後は、その改正内容も踏まえて、さらに制度が定着・発展し、第2のセーフティネットとして実効あるものとなるよう取り組みます。とりわけ、就労支援事業については、すべての自治体(広域連携を含む)で実施できる体制と地域での受け皿づくりをめざして、行政や労働組合・協同組合・NPOなどと連携して取り組みます。
  • ③ 生活困窮者自立支援と貧困をなくす運動を、車の両輪として取り組みます。このため、労働行政に対しては、生活困窮者自立支援事業との連携を強化し、労働法違反行為等の摘発・是正指導やブラック企業対策を強化するよう働きかけます。また、就労訓練事業に貧困ビジネスが参入しないよう、認定機関の体制・監督機能の強化を求めていきます。
  • ④ 生活困窮者自立支援制度の推進とあわせ、関連する地方創生や「地域共生社会」(厚生労働省)の施策の動向も注視し、地域課題の解決力や包括的支援体制の強化に向けて、行政とも連携した地域づくりに取り組みます。
  • ⑤ 「一般社団法人 生活困窮者自立支援全国ネットワーク」(中央労福協は賛助団体)が実施する全国研究交流大会などの活動に参加し、自治体・支援者・研究者などとの交流や、制度改善に向けた連携をはかります。
(3)ナショナルミニマムの保障と社会的セーフティネットの充実
  • ① 生活保護基準の引き下げは、利用者以外の低所得者の生活にも影響を及ぼし、負のスパイラルや貧困の連鎖を助長することが懸念されます。2018年度の生活保護基準の見直しにあたっては引下げは行わず、生存権を確保する観点からの見直しを行うよう政府に求めていきます。
  • ② 2018年の通常国会で予定されている生活保護法の改正に対しては、生活保護利用者に対する過度の生活・健康管理や、生活保護申請の抑制、扶養義務の強化を招かないよう注視しつつ対応していきます。
  • ③ 支援が必要な人たちが生活保護やセーフティネットの制度から排除されないよう、生活困窮者自立支援制度をより機能させていくことで、生活保護行政担当者をも巻き込んで理解を広げていきます。
  • ④ 「住まいは人権」との観点から、福祉・住宅政策の連携や住宅セーフティネットの再構築をめざします。このため、2017年4月の住宅セーフティネット法改正による空き家を活用した住宅セーフティネット制度をさらに強化し、家賃の低廉化につなげるための予算拡充や制度改善に取り組みます。また、「住まいの貧困」に関する実態調査や、地域における居住支援協議会の促進、公的住宅保証制度の創設等を求めて制度改善に取り組みます。
  • ⑤ 生活困窮者を食い物にする「貧困ビジネス」(追い出し屋、脱法ハウス、無料低額宿泊所による生活保護費のピンハネ等)の根絶、規制強化をめざします。
  • ⑥ 上記の課題のほか、最賃の引き上げ、公契約基本法、公契約条例の制定なども含め貧困・格差の克服に向けた課題を実現するため、「生活底上げ会議」を軸に、労働組合、福祉事業団体、市民団体、法律家、研究者などとも連携して、より広範な運動とネットワークづくり、政策提言・政策決定への反映をめざします。さらに、貧困問題に関するキャンペーン活動、奨学金問題、生活困窮者自立支援・相談活動などについても、共同で取り組める行動を追求します。
(4)社会保障制度の再構築と所得再分配機能の強化をめざして
  • ① 貧困・格差解消に向けた諸施策の安定的な財源確保に向け、所得・資産課税の累進性の強化等を通じた所得再分配機能の強化を求め、政策・制度要求を行います。また消費税については、逆進性等に十分配慮するよう求めていきます。
  • ② 現行の社会保障制度を子どもから高齢者に至る全世代に対応できる制度に転換するため、政治的な対立を超えて国民的な議論を行うよう求めていきます。
(5)貧困の連鎖・子どもの貧困の解消、子育て支援の強化をめざして
  • ① 2014年8月に策定された政府の「子どもの貧困対策に関する大綱」の具体的実施施策の検証を進めていきます。特に「大綱」では貧困削減の数値目標が設定されなかったことから、2019年度の見直しを待たずに、数値目標を含む具体的な貧困の削減目標を定め、当事者参加のもとに実効的な施策の立案と実行に着手するよう、関係団体とともに政策・制度要求を行っていきます。また、2017年4月の児童福祉法・虐待防止法の改正施行を踏まえ、市町村および児童相談所の体制の強化を働きかけていきます。
  • ② 都道府県に対して努力目標となっている貧困対策に向けての計画策定の検証を進めるとともに、その推進に向け各地で働きかけていきます。
  • ③ 仕事と子育てが両立できるワーク・ライフ・バランスの推進、待機児童解消の実現など子育て・教育支援としての諸課題の解決に向けて関係団体と連携し、政策・制度の要求を強めます。
(6)多重債務対策の強化
  • ① 一部の国会議員と業界の一部を中心に改正貸金業法の見直し(改悪)の動向が継続しています。また、個人自己破産件数が上昇に転じたことやヤミ金被害についても増加傾向が見受けられるとの懸念も出ており、運動の成果を後退させないためにも、引き続き関係団体などと連携し取り組んでいきます。
  • ② 改正貸金業法の定める総量規制の対象外である銀行カードローンに起因する過剰融資については、政府の多重債務問題に関する有識者懇談会でも指摘されており、多重債務の防止に向けて、労働金庫の生活応援運動や関係団体などとも連携し、啓発活動をはじめ必要に応じ、貸金業者が保証するカードローンを規制対象とするなどの法改正も含めた対応をはかっていきます。
  • ③ 多重債務問題やギャンブル依存症の誘発が懸念されるカジノ解禁問題については、中央労福協として引き続き、カジノ解禁推進法・実施法の撤回・廃止や地方での取り組みも含め、関係団体と連携して取り組んでいきます。
(7)司法修習生に対する経済的支援
2017年4月の裁判所法改正により、私たちの7年越しの運動が実り、司法修習生に修習給付金が支給されることになりました。その実施状況を検証しながら、経済的な事情で法曹志望を断念することがなく、司法修習生が安心して修習に専念できるよう、引き続き取り組みます。また、貸与制時代(2011年~2016年)に無給・貸与で修習していた約11,000人にのぼる“谷間世代”に対する救済策など残された課題について、日弁連などと連携して取り組みます。
(8)自殺対策
  • ① 自殺対策基本法の施行から10年の節目を迎えた2016年、同法の改正が実現しました。しかし、自殺者数は2010年以降、減少傾向にあるものの、2016年では21,000人を超えています。特に若年層をめぐる状況は深刻であり、自殺者数の減少幅は他年齢層と比較して小さく、諸外国との比較でも自殺死亡率は高く、15歳~39歳の死因第1位は自殺となるなど、世界に類を見ない状況となっています。政府に対しては、その要因を探り、分析と早急な対策をはかるよう働きかけていきます。
  • ② 「誰も自殺に追い込まれることのない社会」を実現するため、「地域レベルの実践的な取り組み」による「生きる支援」に向けた政策要求のほか、引き続きNPO・市民団体など各関係団体との連携で取り組みを進めます。
(9)介護離職のない社会をめざして
介護をする家族も、介護を仕事とする人も、離職のない社会をめざし、介護と仕事が両立できる法制度の改善や、介護労働者の処遇改善・人材確保策の充実をめざします。このため、「介護離職のない社会をめざす会」などと連携し、法整備に向けた啓発や、政策提言・政府要請などを通じて政策の実現をはかります。

2.消費者運動との連携の促進

(1)悪質商法被害の根絶に向けて
  • ① 「2017年版消費者白書」(消費者庁)によると、2016年の消費者被害推計値は約4兆8千億円で、GDPの0.9%にもおよび、悪質商法被害の根絶は国民共通の課題となっています。
  • ② 集団的消費者被害回復訴訟制度の創設(消費者裁判手続特例法施行、2016年10月)に伴い、同制度の周知や、特定適格消費者団体への財政支援措置など、制度を実効あるものにするために残された課題に対応していきます。あわせて、消費者団体による消費者被害回復・防止活動への助成事業を行うために2017年4月に設立された「NPO法人消費者スマイル基金」(中央労福協も正会員として加入)の活動が広がるよう協力していきます。
  • ③ 日弁連が様々な団体と連携して各地で開催している連続シンポジウム「地域で防ごう消費者被害」に引き続き協力し、地域における消費者被害の予防・救済に向けたネットワークづくりを進めます。
  • ④ 政府で検討が進められている消費者契約法の見直し等については、課題の進捗状況を注視しつつ、必要に応じて消費者団体等と連携して取り組みます。
  • ⑤ 企業や行政の不正をなくすため、公益通報者を企業・行政側から徹底して守れるように、公益通報者保護法の抜本的な改正に取り組みます。
(2)消費者行政・相談体制の充実強化
  • ① 消費生活相談員の国家資格化(2014年6月6日、消費者安全法改正)、消費者庁や総務省からの雇い止め解消を求める通知(2014年)等を活用し、引き続き消費生活相談員の地位の向上、処遇改善を求めていきます。
  • ② 2017年度までとされている地方消費者行政推進交付金の継続実施をはじめ、地方消費者行政に対する恒久的な財政支援を含む国の支援策を引き続き求めていきます。
  • ③ 消費者庁の地方移転問題については、消費者行政の司令塔としての機能が後退しないよう、消費者団体と連携して対応します。
(3)地域連携、消費者教育の推進
消費者教育推進法や消費者安全法改正(2014年6月)による地域連携・消費者教育の仕組みを実際に機能させていくことが必要です。このため、消費生活協力員(見守り)や消費者教育の担い手(コーディネーター、地域サポーター)などの人材育成、学校教育における消費者教育の充実、福祉や困窮者支援などによる地域づくり施策とも連携した総合的な推進体制を求めていきます。

3.持続可能な社会に向けた連帯経済の促進に関する政策の実現

  • (1)IYC記念協(国際協同組合年記念全国協議会)と連携し協同組合憲章の制定を政府に求めていきます。また、「協同労働の協同組合法」の早期制定に向け関係団体と連携し取り組みを進めます。
  • (2)労働者福祉、協同組合に関する政策・制度要求および政策決定プロセスの参画など、関係運動団体と連携し、その実現に向けて関係省庁に対する取り組みを強めます。

4.東日本大震災などの大規模災害からの復興・再生と防災・減災の取り組み

  • (1)被災県からは、未だ数多くの人が避難を余儀なくされ居住地に戻れない現状、資材高騰や資材不足による復興復旧作業の遅れ、人手不足などによる雇用のミスマッチ、原発事故に起因する福島県固有の課題、移転や人口減少による地域コミュニティ維持等をめぐる課題、高齢者の孤立死や心のケアの問題など、再生復興に向けて今なお多くの問題と課題が残されています。
  • (2)いつまでも被災地を忘れることなく震災の記憶を風化させず、加盟団体からの要望の取りまとめなどを通じ、引き続き復興・再生への取り組みを進めていきます。あわせて、地方労福協の被災地視察のサポートや福島応援隊実行委員会が扱う農産品の紹介などを継続し、東日本大震災の被災経験・復興の取り組みから得られた教訓を今後の災害対策へ活かして、取り組みを進めます。
  • (3)日本列島が地震活動期に突入し、また、地球温暖化の影響等による台風の大型化や集中豪雨や突風等の自然災害による被害が全国各地で頻発していることを踏まえ、各地方において地方自治体や事業団体・協同組合と連携し、大規模災害のリスクに対処できるよう啓発活動等の取り組みを進めます。
  • (4)いざという時の備えや災害に強い住宅づくりなど生活防衛の視点ならびに災害リスクを最小限に止めるために、加盟事業団体と連携し、啓発活動ならびに利用促進をはかります。

5.地球環境保護

  • (1)連合、中央労福協、労金協会、全労済で構成する「ライフスタイルを見直す環境会議」に積極的に参画し、「環境フォーラム」の開催などを通じて、持続可能な循環型社会の構築をめざし、温室効果ガス排出削減・地球温暖化防止などに関する啓発に取り組みます。
  • (2)自らのライフスタイルを見直し食品ロスを削減するため、地方労福協が取り組むフードバンク活動や「食べ残しを減らす運動」(「30・10(さんまるいちまる)運動」、「20・10・0(にいまる・いちまる・ぜろ)運動」(注) など)を広げます。

6.食品の安全、食料・農業問題

 生協や消費者団体と連携し、食品の安全の確保や表示に関する政策・制度改善に取り組むとともに、食品の安全や食料・農業問題に関する学習、食育を通じた食生活の改善、地産地消の推進など、息の長い取り組みを進めます。

Ⅱ.暮らしの総合支援(ライフサポート)の推進

1.暮らしの総合支援事業の体制づくりと着実な推進

  • (1)厚生労働省は「地域共生社会」構想にもとづき、縦割りを超えて様々な行政機関や民間団体が共働する総合的な相談支援体制づくりをめざしています。こうした政府の施策や自治体の動向なども注視し、ライフサポート事業との連携や役割分担、ライフサポート機能のあり方などについて検討します。
  • (2)勤労者の暮らしにかかるサポート事業推進会議における残課題である「財政基盤」や「人材育成・人材確保」については、課題解消に向け必要な協議を行いながらその具体化をめざします。特に、4団体が主催する各種研修会への相互参加を含め、将来的には共同開催も検討します。
  • (3)ライフサポート事業の安定的な運営ならびに基盤強化を目的に、全国のライフサポートセンター責任者による情報交換・交流の場などを検討します。
  • (4)民間の公益活動を促進するため、休眠預金等活用法の施行(2018年1月1日)に伴う制度の検討・運用についての情報を収集しつつ、同制度の有効活用についても検討します。

2. 生活・就労支援の強化

  • (1)生活困窮者自立支援制度を受託している労福協(山形、新潟、千葉、山口、徳島、愛媛、沖縄)、事業団体と就労支援(若者サポ-ト、無料職業紹介など)を行っている労福協間の「生活・就労支援連絡会議」を開催し、情報交換や経験交流を行います。
  • (2)2018年通常国会で予定されている生活困窮者自立支援法の改正内容を踏まえて、同制度の強化・発展に向けた労働者自主福祉として対応策の検討を進めます。とりわけ、就労支援に関しては重点的に、労福協および労働者福祉のネットワークの連携のもと、就労準備支援事業の受託をはじめ、就労体験・訓練・働く場の確保や居場所づくりなど、地域での受け皿づくりを含めた取り組みを強化します。

3.フードバンク活動や子ども食堂の普及・促進

  • (1)地域において、労福協やNPO、生協、ワーカーズコープなどと連携したフードバンク活動が広がっています(埼玉、千葉、新潟、長野、静岡、徳島、沖縄など)。こうした地域の事例の情報交換を活用し、生活困窮者自立支援制度における緊急生活支援として積極的に位置づけ、普及・促進をはかります。
  • (2)食品ロスの削減、災害時における食料支援システムとしてのフードバンクの活用をはかるため、「NPOセカンドハーベストジャパン」などフードバンク団体のネットワークと連携しつつ、引き続きフードバンクの啓発活動や政策・制度の改善等に取り組みます。
  • (3)労福協関係団体の取り組みが広がっている中で、各地の取り組みの集約や経験交流をはかります。特に、フードバンク活動を持続していくため、行政の支援等を含め財政基盤のあり方についても検討や情報交換を進めます。
  • (4)子ども食堂に関する地域での取り組みや関心も広がっており、労福協関係団体の取り組み事例等を情報収集しながら、活動の普及・促進に取り組みます。

4.中小企業勤労者福祉の充実

  • (1)中小企業勤労者福祉事業促進法(中小企業勤労者福祉サービスセンターに法的根拠を与える法律)制定に向けて、引き続き全福センターと連携した取り組みを進めていきます。
  • (2)中小・零細企業の福利厚生制度の充実をはかるために、全労済の「ず~っとあんしん共済」や労金の各種金融商品の利用促進や事業主向けに金融制度やファイナンシャルプラン等の教育機会を提供できるよう、全福センター・労金・全労済の連携促進をはかります。
  • (3)ライフサポート活動の中での中小・未組織勤労者の位置づけを強化し、中小企業勤労者福祉サービスセンターとの連携をはかります。
  • (4)上記についての対応をはかるため、「中小企業勤労者福祉関係団体連絡会議」を適宜開催します。

5.退職者・高齢者の健康づくりと社会参加の推進

  • (1)高齢化の進展に伴い、元気なシニアの多様で多彩な能力や技能を地域社会に活かしていくための環境の整備やシステムづくりが必要です。また、高齢者の生活困窮者が急増するなかで、地域での寄り添い・支え合いが求められています。このため、ライフサポートセンターの活動を通じて、高齢者の健康・生きがいづくり、社会参加やボランティアを促進できるよう、退職者連合や地域の高齢者団体、自治体、協同組合、NPO等と連携して取り組みます。
  • (2)2025年には認知症患者が730万人を突破すると想定されており、65歳以上の5人に1人が認知症になるといわれています。そのため、地域において様々な団体や機関と連携し、介護予防や認知症予防に取り組むとともに、高齢者・介護サービスに関わる利用情報の周知活動に取り組みます。

Ⅲ.協同事業、労働者福祉運動の基盤強化

1.中央労福協設立70周年(2019年)に向けた「2020年ビジョン」の検証・見直しと記念事業

  • (1)中央労福協は、1949年8月30日に中央物対協(労務者用物資対策中央連絡協議会)としてスタートし、2019年に設立70周年を迎えます。70年の活動を節目に労働者福祉運動のさらなる前進をはかるため、第64回定期総会(2019年11月開催予定)にあわせて70周年記念事業を実施します。
  • (2)2009年11月に策定した「労福協の理念と2020年ビジョン」(第59回定期総会決定)の最終年度にあたり、残された課題の実現に全力を尽くします。あわせて、この10年の活動の成果と課題や時代状況の変化も踏まえて、理念とビジョンの検証・見直しを行い、今後の活動の指針となる次期ビジョン策定に向けた検討を進めます。
  • (3)理念とビジョンの検証・見直しにあわせて、必要に応じて規約や組織運営に関する規定の見直し・整備を行います。

2.ポスト2012国際協同組合年の取り組み

  • (1)「IYC記念協(国際協同組合年記念全国協議会)」に参加し、JAなど各協同組合との交流・連携をより深め、協同組合間の対話・連携をさらに深めていきます。IYC記念協は2019年3月までの時限の組織としていますが、協同組合間の連携を議論する場として、今後の組織の継続・発展を求めていきます。
  • (2)協同組合に関わる法制度については、IYC記念協など協同組合間の議論をもとに、協同組合憲章制定などの具体的な足がかりを築いていきます。
    また、協同組合が「持続可能な開発目標(SDGs)やユネスコ世界無形文化遺産に位置付けられたことの今日的な意義などについて、中央労福協加盟団体とともに理解を深める取り組みを進めていきます。

3.協同事業団体の利用促進の取り組み

  • (1)労働組合と事業団体が「ともに運動する主体」としての関係をさらに強固なものとし、協同事業の今日的意義や社会的価値への理解を広げつつ、組合員の利用促進に繋がる取り組みを進めます。
  • (2)中央労福協においては、「生活底上げ・福祉強化キャンペーン」や「中央労福協・労金運動中央推進会議・全労済中央推進会議(三者)による加盟労働団体要請行動」などを通じて、さらなる利用促進をはかります。
    また、地方労福協においても、引き続き労働組合への労働者福祉運動の運動方針化・学習会開催など要請行動を進めます。
  • (3)加盟団体相互の連携と協力関係の強化に向けては、「事業団体会議」、「労働組合会議」、「労働組合・事業団体合同会議」を開催し、相互利用・好事例共有をはかります。また、事業団体間において、未利用(未加盟)団体の紹介運動や相互利用など、連携・促進運動を強化します。
  • (4)中央・地方労福協は、自らの活動が事業団体の利用促進や支援につながっているかどうか自己点検を行い、信頼を確かなものにするよう努めます。こうした信頼関係のもと、地方労福協が安定した活動が継続できるよう、加盟団体に引き続き理解を求めていきます。

4.共助拡大の取り組み

  • (1)未組織労働者(中小・零細企業労働者)、非正規労働者、高齢者など共助の輪に参加できていない人々への利用を広げるための受け皿づくり、制度開発やリスクをシェアできる仕組みについて、事業団体をはじめ関係団体と連携し、引き続き検討します。
  • (2)労金・全労済・生協など協同組織(組合)の地域における様々な福祉活動や公益活動において協同組合間協同をさらに強め、共助の輪を拡大し、勤労者福祉の向上をはかります。

5.労働者福祉運動を担う人材の育成・教育活動

  • (1)すべてのブロックにおいて「労働者福祉運動の理念・歴史・リーダー養成講座」の開催が定着したことから、今後は地域(県・地区)での開催をめざします。開催にあたっては、4団体(地方労福協、地方連合会、労金、全労済各推進本部)が主体となり開催することをめざします。
  • (2)学習資材「労働者福祉運動の“これまで”と“これから”」を積極的に活用し、リーダーの育成に努めます。
  • (3)関係団体との人事交流や連合大学院(法政大学連帯社会インスティテュート)などの教育機関と連携をはかりながら、人材育成に寄与します。また、国際労働財団の草の根支援活動や教育文化協会が実施している大学寄付講座への「労働者自主福祉運動」のカリキュラム化を推進します。

6.労働者福祉運動への女性の参画促進

 労働者福祉運動の継承・発展のためには、女性の参画は不可欠です。中央労福協が主催する会議や研修会等への参画を促進するとともに、加盟団体の女性役職員や次期リーダーを対象に年1回、学習・経験交流の場を設けます。

7.公益法人制度への対応

 公益法人制度改革(2008年12月1日施行)に伴い、地方労福協において一般社団、一般財団、公益社団、公益財団などの法人格を持つ労福協は33法人となりました。今後、労福協全体として、適正な法人運営、ガバナンスの強化、情報開示への対応を進めます。

Ⅳ.組織活動・運営、研修・広報・教宣

1.各種会議の機能的運営

 

(1)機関会議
  • ① 幹事会は年に4回程度開催します。
  • ② 三役会は1~2ヶ月に1回程度開催します。
(2)加盟団体会議等
  • ① 事業団体会議、地方労福協会議、労働組合会議を年2回開催します。相互の情報交換と意思疎通をはかるほか、それぞれの課題に応じたテーマでの討議、研修等も盛り込み、機能的で充実した運営をめざします。
  • ② ブロック事務局長会議を開催します。年に1度はブロック会長・事務局長会議とします。
  • ③ 事業団体・地方労福協合同会議および労働組合・事業団体合同会議を年1回開催し、必要に応じてテーマ別懇談会を開催します。

2.生活底上げ・福祉強化キャンペーン

 2017年度は、a) 労働者福祉事業の利用促進と共助拡大、b) 生活・就労支援の強化、c) 奨学金制度のさらなる拡充――の3つを柱に、現在取り組みを進めています。
2018~2019年においては、この間の取り組みを検証し、労福協全体で取り組むべき社会運動課題や自主福祉活動の強化に向けて、最大限効果が発揮できる取り組みとなるよう、テーマ設定などキャンペーンのあり方を検討します。

3.研修活動の充実

(1)全国研究集会
 加盟団体役職員を対象に、時事の社会課題や中央労福協の活動方針課題をテーマ設定し、改善に向けた課題共有をはかることを目的に年1回開催します。
 2018年度は6月4~5日に岡山市で開催します。
(2)ライフサポートセンター実務者・相談員研修・交流会
 相談員のスキルアップならびに好事例共有等の経験交流を中心に年1回開催します。また、4団体協議を踏まえ、連合・労金・全労済への参加も促し、相互の人材育成および人材確保にも努めます。
(3)公益法人制度に関する研修・情報交換会
 新法人移行後、責任者、担当者の異動等により、知識や経験の継承が課題となっている現状を踏まえ、法人の運営、税務、会計に関する主な内容についての学習、業務上の課題、経験等について情報交換、共有化の機会を設定します。
(4)地方労福協事務担当者研修会
地方労福協の事務担当者を対象に、中央労福協の活動に理解を深め、相互の交流と意思疎通をはかることを目的に、年1回開催します。

4.海外視察について

前期、一旦停止した海外視察については、加盟団体や地方労福協と協議し関係団体との連携による共同開催について検討します。

5.広報活動と情報化

(1)ニュースレター
 ニュースレターを毎月1回発行し、中央労福協の活動に関する情報を提供するほか、インタビュー記事、取材記事、連載記事などを盛り込み、内容の充実をはかります。
(2)ホームページの充実
 中央労福協のウェブサイトを全面的に刷新し、内容の充実をはかります。
(3)「現行社会保険制度の要点」の発行
引き続き「現行社会保険制度の概要」(掲示用)を、会員および要望のある単組、団体に向け、10月に発行します。中央・地方労福協のホームページおよびスマートフォンからも最新情報が閲覧できるようにします。

6.調査研究活動

  • (1)2018~2019年度においては、①運動・政策課題と一体的に取り組める実態調査活動、②労働者福祉事業に関するニーズ調査など、関係団体と相談しながら、必要に応じて検討・実施します。
  • (2)地方労福協が実施した調査等の情報や成果の共有の促進をはかります。

7.労働組合の税務・会計サポート

 税制改正の動向を踏まえ、必要に応じて「労働組合等の会計税務にかかる実務マニュアル」を発行します。

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