中央労福協は連続講座「『つながる経済』で社会を変える!」の第6回を2月14日に開催し、日本労働者協同組合連合会の古村伸宏理事長を講師に、協同労働という働き方と労働者協同組合法の可能性を学んだ。
協同労働とは、働く者が自ら出資して事業・経営を主体的に担い、生活と地域に必要な仕事を協同でおこす働き方だ。古村氏は、一人ひとりが主人公として職場や地域で「よい仕事」に取り組んできた歴史や、2022年10月に施行された労働者協同組合法の概要や意義を解説。新法制定後に設立された労働者協同組合は、新しい働き方のみならず、地域の自治、主体的・体験的な学び、若者の環境志向、退職後の生きがいと仕事づくり、持続可能性を高める地域産業の創出など様々な分野に及んでおり、労働、企業・経営、経済、民主主義、コミュニティのあり方など多方向にインパクトを与えていく可能性が語られた。
後半はナビゲーターの伊丹謙太郎法政大学大学院教授との対話を通じて、労働者協同組合の基本原理の要である「意見反映」について、時に困難も伴うが、話し合いをあきらめず、相手を理解し、みんなが納得できるよう折り合いをつけていく関係性や組織文化を育むことであり、人と人との関係という協同組合の原点や、共存・包摂・多様性などの本来的なあり方に通じることについて議論を深めた。また、労働者協同組合法の前提はディーセントワークやワーク・ライフ・バランスの実現であり、その接点からの労働運動との協力の可能性を語った。
最後に古村氏は「ワーク・ライフ・ハーモニー」という言葉を提唱し、『料理で具材の個性を損なわずに「和える(あえる)」ように、働くことと暮らすことを切り離さずに和えていく。ワークとライフが奏でるハーモニーが社会的連帯経済ではないか。まずは「私」を大事にして働き方や暮らしを考えるところから出発し、それを「私たち」、そして「みんなの幸せ」につなげていこう』と呼びかけた。
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