中央労福協は7⽉26⽇、NPO法人 Social Change Agency 代表理事、ポスト申請主義を考える会 代表の横山 北斗氏を講師に迎え、「社会保障制度利用のアクセシビリティの現状と課題」をテーマに第33回Web学習会を開催、93名が参加した。
学習会では、主に社会保障制の概要、社会保障制度利用のアクセスを阻む「申請主義」の問題、申請する権利の行使をサポートする施策などについて学習した。
社会保障制度は、国民の「安心」や生活の「安定」を支えるセーフティネットである一方で、日本の福祉支援は、対象者が相談(申請)に来ることを待ち、「申請」ののち、支援がはじまること(申請主義)がほとんどであり、物理的、能力的に申請の手続きが可能である人を前提としているため、それが難しい人たちが制度から排除され、結果として孤立、生活・生命の危機に瀕する可能性が生じると横山氏はいう。
また、相談や申請に行く時間が取れない、制度の存在を知らない、制度利用に対するスティグマなどの申請プロセスが障壁となり、制度から排除され、網の目の粗いセーフティネットとなってしまっていると話した。
申請する権利の行使をサポートする施策を検討する上での具体的なポイントとして、自ら調べなくとも個々の状況にあった利用可能な制度・支援・サービスの情報の提供(プッシュ型行政サービスの実施)や、スティグマの軽減を目的として制度利用を促す啓発や名称変更などの事例が紹介された。
おわりに、一人ひとりができることとして、地域にどんな制度や相談機関があることを知ること、困っている知人に声をかけること、日常的に埋め込まれた不正義に声を上げることを呼び掛けた。