中央労福協は6月28日、一般社団法人 地球温暖化防止全国ネット(JNCCA)専務理事の秋元智子氏を招いて第21回Web学習会を開催、93名が参加した。秋元氏は気候危機の深刻な現状と国内外で発生している気象災害や我々のくらしへの影響にふれ「まずは一人ひとりの意識変容から」と述べた。
現在、世界各国で気候危機に対する取り組みが進められているが、IPCC第6次評価報告書は「現時点では温暖化を1.5℃に抑制する経路上になく、今後数年間が正念場になる」と説く。日本でも温室効果ガス削減目標を2030年時点で2013年比46%削減、2050年カーボンニュートラルと掲げているが、残された時間は少なく極めて厳しい道のりと言わざるを得ない。
脱炭素社会に向け秋元氏は「私たち自身が意識を変え、行動を変え、価値観を変える。そうすれば自ずとライフスタイルの選択も変わってくる。環境省のCOOL CHOICEもこの部分の取り組みだ」と強調する。また、World Wide View on Climate and Energyの調査結果を示し「気候変動対策」に対して世界では66%が「生活の質を高めるもの」と認識する一方、日本では60%が「生活の質を脅かすもの」と捉えていると説明した。私たち一人ひとりが「意識変容」し、持続可能な地球環境を未来に残す前向きな取り組みとして進めていくことが重要である。
全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)は地球温暖化対策推進法に基づき設置されており、全国に59の地域センターを持つ。秋元氏からは「ぜひ地域での連携に向けお声がけ頂きたい」と呼びかけがあった。
本Web学習会での地球環境シリーズは2月4日の第18回に続き2回目(前回:中央労福協ニュースレター186号2面参照)。世界、日本、地域、職場、家庭、個人とさまざまな角度から「気候危機」を取り上げ、学習・啓発を進めていく。