社会保険制度 解説:介護保険 被保険者が寝たきりや痴呆等で常時に介護を必要とする状態(要介護状態)や、常時介護は必要としないが日常生活に支援が必要な状態(要支援状態)になった場合には、介護保険制度からのサービスが受けられます。 1.保険者等 (1)被保険者 被保険者は、第1号被保険者と第2号被保険者があります。原則として、40歳になった人は介護保険に加入することになります。 [1]第1号被保険者 市区町村内に住所がある65歳以上の人 [2]第2号被保険者 市区町村内に住所がある40歳以上65歳未満の医療保険加入者 <医療保険加入者> 医療保険加入者とは、国民健康保険、健康保険、船員保険、各共済組合等の被保険者、組合員、加入者及び被扶養者をいいます。 (2)保険者 介護保険の保険者(制度の運営の主体)は、市町村及び特別区です。 2.保険料 (1)第1号被保険者(65歳以上の人)の保険料 [1]保険料の納付方法 第1号被保険者の保険料は、医療保険の保険料とは別に納付します。 保険料の納付方法は、年金からの天引き(特別徴収)と、口座振替または納付書による納付(普通徴収)があります。 (ア)年金からの天引き 老齢・退職年金等の年額が18万円(月額1万5千円)以上の人は、2か月ごと(2月、4月、6月、8月、10月、12月)に支払われる年金から、年金支払いごとに、2か月分の保険料が天引きされます。 (イ)口座振替、納付書による金融機関への納付(普通徴収) 老齢・退職年金等の年額が18万円(月額1万5千円)未満の人は、市町村の定めた納期ごとに、口座振替または納付書により市町村が定める金融機関に納めます。 [2]保険料の額 保険料の額は、介護サービスの費用の19%を市町村に住所がある65歳以上の人数で割った額を基準として市町村ごとに定められます。 (2)第2号被保険者(40歳以上65歳未満の人) [1]保険料の納付方法 第2号被保険者の介護保険料は、医療保険の保険料として一括して徴収されます。 [2]保険料の額 保険料の計算の方法や額は、加入している医療保険によって異なります。 (ア)健康保険等に加入している場合 保険料は標準報酬月額及び標準賞与額に介護保険料率をかけて計算します。 保険料率は、医療保険の保険者ごとに定められます。(政府管掌健康保険は、1.5%、健康保険組合は組合ごとに決定) 保険料は原則として事業主が半額負担します。 (イ)国民健康保険に加入している場合 保険料は所得や資産等に応じて異なります。 保険料の半額は、国庫が負担します。 世帯主が、世帯員の分を負担する義務があります。 3.負担割合 (1)介護給付及び予防給付に要する費用の負担割合 ※( )内は介護保険施設及び特定施設入居者生活介護に係るもの、介護予防特定施設入居者生活介護に係るものについての負担割合 国 市町村 都道府県 第1号被保険者の保険料 第2号被保険者の保険料 負担割合 25% (20%) 12.5% 12.5% (17.5%) 23<% 27% 4.給付内容 (1)利用可能者 [1]65歳以上の人(第1号被保険者) 寝たきりや痴呆などで常に介護を必要とする状態(要介護状態)の人や、身じたく等日常生活に支援が必要な状態(要支援状態)の人 [2]40歳以上65歳未満の人(第2号被保険者) 初老期の痴呆、脳血管疾患等老化が原因とされる病気(特定疾病)により要介護状態や要支援状態となった人 (2)利用方法 [1]要介護認定 介護給付を受けようとする人は、要介護者に該当すること及び要介護状態区分について、市町村の認定を受けなければなりません。 [2]要支援認定 予防給付を受けようとする人は、要支援者に該当することについて、市町村の認定を受けなければなりません。 (3)保険給付の種類 介護保険の保険給付には、被保険者の要介護状態に関する保険給付(介護給付)と被保険者の要支援状態に関する保険給付(予防給付)があります。 この他に要介護状態又は要支援状態の軽減、悪化の防止のための保険給付で、条例で定める市町村特別給付があります。 [1]介護給付 介護給付は、要介護認定を受けた人が、それぞれの給付の支給要件に該当したときに、市町村が必要と認めた場合に支給されます。 介護給付には、次の保険給付があります。 (ア)居宅介護サービス費 (イ)特例居宅介護サービス費 (ウ)地域密着型介護サービス費 (エ)特例地域密着型介護サービス費 (オ)居宅介護福祉用具購入費 (カ)居宅介護住宅改修費 (キ)居宅介護サービス計画費 (ク)特例居宅介護サービス計画費 (ケ)施設介護サービス費 (コ)特例施設介護サービス費 (サ)高額介護サービス費 (シ)高額医療合算介護サービス費 (ス)特定入所者介護サービス費 (セ)特例特定入所者介護サービス費 [2]予防給付 予防給付は、要支援認定を受けた人が、それぞれの給付の支給要件に該当したときに、市町村が必要と認めた場合に支給されます。 予防給付には、次の保険給付があります。 (ア)介護予防サービス費 (イ)特例介護予防サービス費 (ウ)地域密着型介護予防サービス費 (エ)特例地域密着型介護予防サービス費 (オ)介護予防福祉用具購入費 (カ)介護予防住宅改修費 (キ)介護予防サービス計画費 (ク)特例介護予防サービス計画費 (ケ)高額介護予防サービス費 (コ)高額医療合算介護予防サービス費 (サ)特定入所者介護予防サービス費 (シ)特例特定入所者介護予防サービス費 (4)自己負担額 介護保険からサービスを受けたときは、原則としてかかった費用の1割を負担します。 ただし、一定以上所得のある方が介護サービスを利用したときは2割負担になります。 (※平成30年8月から2割負担の人のうち特に所得の高い人の負担割合が3割となります。) 施設に入った場合や日帰りで通うサービスを利用する場合は、上記のほかに、居住費、食費について標準負担額を負担します。 <一定以上所得とは> ※自己負担額を2割とする水準は、所得金額が160万円以上の人(単身で年金収入のみの場合、280万円以上)。 ただし、所得金額が160万円以上であっても、実質的な所得が280万円に満たないケースや2人以上世帯における負担能力が低いケースを考慮し、「年金収入とその他の合計所得金額」の合計が単身で280万円、2人以上世帯で 346万円未満の場合は、1割負担になります。 また、1月の負担額が下記の金額を超えた場合は、高額介護サービス費が支給されます。世帯に複数の利用者がいる場合には、すべての利用者の月々の負担額を合算した額とします。 月々の負担上限額 世帯の中に一定以上所得者に該当する人がいる人 44,000円 一般(世帯の中に住民税非課税の方いる人) 44,000円 ※ 世帯全員が住民税非課税の人 24,600円 老齢福祉年金受給者で世帯全員が住民税非課税または生活保護受給者の人 15,000円 ※1割負担者(年金収入280万円未満)のみの世帯については、過大な負担とならないよう、年間の負担総額が現行の負担最大額を超えない仕組みとされる。(3年間の時限措置)年間上限額: 446,400円 (37,200円×12) さらに、医療保険と介護保険の自己負担額の合算額が著しく高額になった場合は、負担を軽減するために自己負担限度額を超えた額が医療保険、介護保険の自己負担額の比率に応じて、高額医療合算介護サービス費が支給されます。 ○年齢・所得区分ごとの自己負担限度額 区分 70歳以上の人がいる世帯 70歳未満の人がいる世帯 年収約1,160万円~ 健保標準報酬月額83万円以上 国保課税所得690万円以上 212万円 212万円 年収770万円~1,160万円 健保標準報酬月額53万~79万円 国保課税所得380万円以上 141万円 141万円 年収370万円~770万円 健保標準報酬月額28万~50万円 国保課税所得146万円以上 67万円 67万円 年収156~370万円 健保標準報酬月額26万円以下 国保課税所得145万円未満 60万円 60万円 住民税非課税者・低所得者 II 31万円 34万円 住民税非課税者・低所得者 I 19万円※ ※介護サービス利用者が世帯内に複数いる場合は31万円。 (注) 1.低所得者IIは、70歳以上の方で、世帯全員が住民税非課税の場合等 2.低所得者Iは、70歳以上の方で世帯全員が住民税非課税であり、所得が一定基準(年金収入80万円以下等)を満たす場合等 3.70歳未満の方と70歳~74歳の方が混在する場合は70歳から74歳の方の自己負担額に基準額を適用した後、70歳から74歳の方のなお残る自己負担額と70歳未満の方の自己負担額の合計額に70歳未満の基準額を適用します。 詳しくはお住まいの市区町村へお問い合わせください。 戻る
社会保険制度 解説:介護保険
被保険者が寝たきりや痴呆等で常時に介護を必要とする状態(要介護状態)や、常時介護は必要としないが日常生活に支援が必要な状態(要支援状態)になった場合には、介護保険制度からのサービスが受けられます。
1.保険者等
(1)被保険者
被保険者は、第1号被保険者と第2号被保険者があります。原則として、40歳になった人は介護保険に加入することになります。
[1]第1号被保険者
市区町村内に住所がある65歳以上の人
[2]第2号被保険者
市区町村内に住所がある40歳以上65歳未満の医療保険加入者
<医療保険加入者>
医療保険加入者とは、国民健康保険、健康保険、船員保険、各共済組合等の被保険者、組合員、加入者及び被扶養者をいいます。
(2)保険者
介護保険の保険者(制度の運営の主体)は、市町村及び特別区です。
2.保険料
(1)第1号被保険者(65歳以上の人)の保険料
[1]保険料の納付方法
第1号被保険者の保険料は、医療保険の保険料とは別に納付します。 保険料の納付方法は、年金からの天引き(特別徴収)と、口座振替または納付書による納付(普通徴収)があります。
(ア)年金からの天引き
老齢・退職年金等の年額が18万円(月額1万5千円)以上の人は、2か月ごと(2月、4月、6月、8月、10月、12月)に支払われる年金から、年金支払いごとに、2か月分の保険料が天引きされます。
(イ)口座振替、納付書による金融機関への納付(普通徴収)
老齢・退職年金等の年額が18万円(月額1万5千円)未満の人は、市町村の定めた納期ごとに、口座振替または納付書により市町村が定める金融機関に納めます。
[2]保険料の額
保険料の額は、介護サービスの費用の19%を市町村に住所がある65歳以上の人数で割った額を基準として市町村ごとに定められます。
(2)第2号被保険者(40歳以上65歳未満の人)
[1]保険料の納付方法
第2号被保険者の介護保険料は、医療保険の保険料として一括して徴収されます。
[2]保険料の額
保険料の計算の方法や額は、加入している医療保険によって異なります。
(ア)健康保険等に加入している場合
保険料は標準報酬月額及び標準賞与額に介護保険料率をかけて計算します。
保険料率は、医療保険の保険者ごとに定められます。(政府管掌健康保険は、1.5%、健康保険組合は組合ごとに決定)
保険料は原則として事業主が半額負担します。
(イ)国民健康保険に加入している場合
保険料は所得や資産等に応じて異なります。
保険料の半額は、国庫が負担します。
世帯主が、世帯員の分を負担する義務があります。
3.負担割合
(1)介護給付及び予防給付に要する費用の負担割合
※( )内は介護保険施設及び特定施設入居者生活介護に係るもの、介護予防特定施設入居者生活介護に係るものについての負担割合
(20%)
(17.5%)
4.給付内容
(1)利用可能者
[1]65歳以上の人(第1号被保険者)
寝たきりや痴呆などで常に介護を必要とする状態(要介護状態)の人や、身じたく等日常生活に支援が必要な状態(要支援状態)の人
[2]40歳以上65歳未満の人(第2号被保険者)
初老期の痴呆、脳血管疾患等老化が原因とされる病気(特定疾病)により要介護状態や要支援状態となった人
(2)利用方法
[1]要介護認定
介護給付を受けようとする人は、要介護者に該当すること及び要介護状態区分について、市町村の認定を受けなければなりません。
[2]要支援認定
予防給付を受けようとする人は、要支援者に該当することについて、市町村の認定を受けなければなりません。
(3)保険給付の種類
介護保険の保険給付には、被保険者の要介護状態に関する保険給付(介護給付)と被保険者の要支援状態に関する保険給付(予防給付)があります。
この他に要介護状態又は要支援状態の軽減、悪化の防止のための保険給付で、条例で定める市町村特別給付があります。
[1]介護給付
介護給付は、要介護認定を受けた人が、それぞれの給付の支給要件に該当したときに、市町村が必要と認めた場合に支給されます。
介護給付には、次の保険給付があります。
(ア)居宅介護サービス費
(イ)特例居宅介護サービス費
(ウ)地域密着型介護サービス費
(エ)特例地域密着型介護サービス費
(オ)居宅介護福祉用具購入費
(カ)居宅介護住宅改修費
(キ)居宅介護サービス計画費
(ク)特例居宅介護サービス計画費
(ケ)施設介護サービス費
(コ)特例施設介護サービス費
(サ)高額介護サービス費
(シ)高額医療合算介護サービス費
(ス)特定入所者介護サービス費
(セ)特例特定入所者介護サービス費
[2]予防給付
予防給付は、要支援認定を受けた人が、それぞれの給付の支給要件に該当したときに、市町村が必要と認めた場合に支給されます。
予防給付には、次の保険給付があります。
(ア)介護予防サービス費
(イ)特例介護予防サービス費
(ウ)地域密着型介護予防サービス費
(エ)特例地域密着型介護予防サービス費
(オ)介護予防福祉用具購入費
(カ)介護予防住宅改修費
(キ)介護予防サービス計画費
(ク)特例介護予防サービス計画費
(ケ)高額介護予防サービス費
(コ)高額医療合算介護予防サービス費
(サ)特定入所者介護予防サービス費
(シ)特例特定入所者介護予防サービス費
(4)自己負担額
介護保険からサービスを受けたときは、原則としてかかった費用の1割を負担します。
ただし、一定以上所得のある方が介護サービスを利用したときは2割負担になります。
(※平成30年8月から2割負担の人のうち特に所得の高い人の負担割合が3割となります。)
施設に入った場合や日帰りで通うサービスを利用する場合は、上記のほかに、居住費、食費について標準負担額を負担します。
<一定以上所得とは>
※自己負担額を2割とする水準は、所得金額が160万円以上の人(単身で年金収入のみの場合、280万円以上)。 ただし、所得金額が160万円以上であっても、実質的な所得が280万円に満たないケースや2人以上世帯における負担能力が低いケースを考慮し、「年金収入とその他の合計所得金額」の合計が単身で280万円、2人以上世帯で 346万円未満の場合は、1割負担になります。
また、1月の負担額が下記の金額を超えた場合は、高額介護サービス費が支給されます。世帯に複数の利用者がいる場合には、すべての利用者の月々の負担額を合算した額とします。
※1割負担者(年金収入280万円未満)のみの世帯については、過大な負担とならないよう、年間の負担総額が現行の負担最大額を超えない仕組みとされる。(3年間の時限措置)年間上限額: 446,400円 (37,200円×12)
さらに、医療保険と介護保険の自己負担額の合算額が著しく高額になった場合は、負担を軽減するために自己負担限度額を超えた額が医療保険、介護保険の自己負担額の比率に応じて、高額医療合算介護サービス費が支給されます。
○年齢・所得区分ごとの自己負担限度額
健保標準報酬月額83万円以上
国保課税所得690万円以上
健保標準報酬月額53万~79万円
国保課税所得380万円以上
健保標準報酬月額28万~50万円
国保課税所得146万円以上
健保標準報酬月額26万円以下
国保課税所得145万円未満
※介護サービス利用者が世帯内に複数いる場合は31万円。
(注)
1.低所得者IIは、70歳以上の方で、世帯全員が住民税非課税の場合等
2.低所得者Iは、70歳以上の方で世帯全員が住民税非課税であり、所得が一定基準(年金収入80万円以下等)を満たす場合等
3.70歳未満の方と70歳~74歳の方が混在する場合は70歳から74歳の方の自己負担額に基準額を適用した後、70歳から74歳の方のなお残る自己負担額と70歳未満の方の自己負担額の合計額に70歳未満の基準額を適用します。
詳しくはお住まいの市区町村へお問い合わせください。
戻る