多重債務のない社会をめざして

 21世紀に入り、労福協はさまざまな社会的課題に向き合うことになります。その転機は、 2005年から取り組んだクレ・サラ(消費者金融)の高金利引き下げ運動でした。当時、多重債務による生活苦によって年間8,000人の自殺者が深刻な社会問題となっていました。その背景には消費者金融(いわゆるサラ金)による高金利貸付と過酷な取立、過剰融資でした。法律の狭間(グレーゾーン金利)をついて弱者を食い物にして巨利を上げるというビジネスモデルは、まさに社会の不条理そのものでした。「高利貸しからの解放」は労金設立の原点でもあり、多重債務を根本的に解決するための制度改善に本腰で取り組むことが求められたのです。
 中央労福協は署名活動に全力展開。他団体集約分を含めた総数は341万筆に達しました。また地方議会意見書採択運動では43都道府県議会、1136市町村議会で採択され、国会議員へ民意をアピールするうえで絶大な力を発揮しました。
 当時の自公連立与党は実質引き上げという真逆の方針をとっていましたが、撤回をし、2006年に私たちの主張をほぼ盛り込んだ貸金業法等改正法が成立しました。労働界と法律家・市民団体が結集し、国民世論が一つになって「社会正義」という一点に集中した闘いの勝利です。

2006

貸金業法等改正法 成立!


改正貸金業法の完全施行をめざして

 2006年12月に成立した改正貸金業法は段階的に施行されてきましたが、出資法の上限金利の引き下げ、収入の3分の1を超える過剰貸付契約の禁止(総量規制)等は公布後3年を目途に完全施行されることになっていました。
 政府は2010年11月に「完全施行前の見直し」条項に基づく検討を始めましたが、業界団体の巻き返しもあり、完全施行の先送りや金利・総量規制の見直しが懸念される事態となりました。
 中央労福協は、連合や法律家団体などと連携し、予定通り早期に完全実施すべきであると主張し、集会、院内集会、地方議会請願活動等に取り組み、2010年6月18日に改正貸金業法が完全施行されました。

2010

改正貸金業法 完全施行!

戻る

TOPへ