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第48回Web学習会「子どもの貧困・虐待と里親制度」

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2025年2月17日

 2月17日、中央労福協は第48回Web学習会を開催し、107名が参加しました。今回は、「社会的養育総合支援センター一陽」統括所長の橋本達昌さん、副施設長の霜大輝さんのお二人から、お話をいただきました。

 霜さんからは、児童虐待相談は増加しており、そのうち13%が一時保護され、施設入所は2%程度となっていること、児童相談所の業務が急増しており、人員増などの体制強化が急がれている状況について話がありました。そのうえで、子どもの社会的擁護のあるべき姿として、まずは家庭において児童が健やかに養育されるように保護者を支援することが大切だが、次には、里親や小規模住居型の児童養育事業(ファミリーホーム)などのなるべく家庭に近い環境での養育が好ましいこと、しかし、現状は社会的擁護を必要とする児童の約8割が施設に入所している現状について報告いただきました。また、相談のあった98%の子どもが家庭復帰していることから、ここに誰が支援をしていくかが大きな課題になっていることも述べられました。

 これを受けて、橋本さんから「NPO法人家庭養育支援機構」の活動について紹介されました。里親領域における中間支援団体として、2024年から活動を開始していること、里親不足を解消するための里親リクルート研修などに取り組んできたことが報告されるとともに、日本では他国に比べて里親のもとで育つ児童が少ないこと、里親の登録数は増えつつあるが、実際に子どもを預かっている里親の割合が30%まで低下し続けていることなどが報告されました。

 その原因として仕事との両立が難しいことが一因として挙げられ、里親の休暇制度や時短制度などの拡充が必要であると訴えました。このためにも、勤務先企業などの取り組みが必要不可欠であるとして、協力が要請されました。

 最後の質疑では、里親制度を進めるために、労働組合がそれぞれの企業に対して、どのような要求をすればいいのかという質問に対して、橋本さんは、新しい制度をつくるのは難しいので、すでにある制度のなかに「里子も含む」という文言を入れることなどをぜひ交渉事項にしてほしい、との話があり、学習会を終了しました。

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