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第47回Web学習会「協同組合・NPOの連携で持続可能な地域社会を」

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2025年1月16日

 1月14日、中央労福協は第47回Web学習会を開催し、103名が参加しました。冒頭、芳野友子会長から新年あいさつを受けたのち、日本協同組合学会会長の杉本貴志さんから「協同組合・NPOの連携で持続可能な地域社会を」と題してお話しいただきました。

 杉本さんからは、国連が今年を含め二度も国際協同組合年としたことは異例であり、国際的には非常に重要な課題であるにもかかわらず、対照的に日本では認知度が低い現状が問題であるとの提起がされました。

 そのうえで、誕生にまでさかのぼって協同組合の歴史を振り返ることが重要だとして、1844年にイギリスのロッジデールに誕生した店について紹介がされました。当時のイギリスの労働者が貧困にあえぐ中で、ロッジデールにできた協同組合は、「ロッジデール原則」と呼ばれるいくつかの原則を定めており、組合員による民主主義や、インチキ商売に対抗して、順良な品質・正確な計量を行う原則、また、店舗に図書館を併設するなどの教育重視の原則など、競争経済を打破する試みがされていました。

 この「ロッジテール原則」がもとになり、20世紀型の協同組合が躍進してきたこと、そして、1995年に定められた「協同組合原則(ICA原則)」も「ロッジデール原則」を踏まえていることを示したうえで、農協や生協など同じ協同組合間の協同をすべきという「協同組合間協同」と、コミュニティに有害なことはすべきではないという「コミュニティの持続的発展への関与」について、新しく原則として付け加えられたことが紹介されました。さらにこの原則の取り組み事例として、被災地支援や買い物弱者問題が挙げられ、既存の商店街との軋轢の問題など、協同組合単独ではなく、地域を巻き込んだ解決が求められていることが示されました。

 このほか、2012国際協同組合年に行われた国際会議についての紹介や、韓国でできた「一般協同組合」をつくることができる新しい法律の紹介などがされました。

 最後にあらためて、2025国際協同組合年の「協同組合はよりよい世界を築きます」というスローガンが紹介され、ともに取り組んでいくことが提起されて、学習会を終了しました。

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