中央労福協は連続講座「『つながる経済』で社会を変える!」の第9回を5月15日に開催し、「社会的連帯経済を支える社会的金融 PartⅠ.」として、日本における社会的金融の草創期からこれまでを振り返りながら、社会課題の解決に向けた金融の役割を考えた。
登壇者は、元近畿労金地域共生室長の法橋聡氏、草の根金融研究所「くさのーね」の多賀俊二代表、労金協会の山口郁子政策調査部部長の3名。いずれも、2000年前後より労金のNPO向け融資の開発に携わり、「市民活動を支える金融」の道を切り拓いてきた。鼎談では、当時どのような想いで何をめざし、今どこにたどり着いたのか、そして社会的連帯経済(SSE)と金融の役割をどのように考えるかを語り合った。
法橋氏は、社会的金融の現在地について、グローバル経済のもとでセーフティネットが寸断され社会が劣化し続けており「道半ば」と評価し、社会をよりよくし、社会の底を抜けさせないための経済としてSSEの認知を広げていく必要性を指摘した。また、金融には異質な人たちをつなぐ機能や、意思のあるお金の循環で地域や未来を変える力があるとして、SSEを支える社会的金融への期待を語り、「未来をあきらめない」とアピールした。
多賀氏は、NPO融資制度は充実し借りやすい状況になってきたが、SSEの金融システムとしては、社会課題の解決に取り組む事業体を支える金融内外の機能や、生きづらい人びとへの金融機会の提供(金融包摂)という面での一層の飛躍を期待した。受講者には、身近に社会課題を担っている人はたくさんいるので、「目線を一歩広げ、もっと近づこう」とメッセージを送った。
山口氏は、これからの労働者自主福祉運動の進化に向けて、たくさんの助け合い(多助)が生まれる地域社会をつくるという目的のために連帯していく必要があり、金融機関の役割は、つなぎ役、ハブ役となって様々な社会的資源をうまく必要なところに環流していくことだと述べた。そして、「既成概念にとらわれず、どんな地域をつくっていくか想いを共有しながら、新しい事業・活動モデルにチャレンジしていこう!」と呼びかけた。
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