第42回Web学習会「よりそいホットラインから見えるもの 若者たちのこと」
2024年4月18日
中央労福協は4月12日、一般社団法人 社会的包摂サポートセンター 事務局長 遠藤 智子氏を講師にお招きし、「よりそいホットラインから見えるもの 若者たちのこと」をテーマに第42回Web学習会を開催、91名が参加した。
「よりそいホットライン」とは、24時間365日年中無休の悩み相談窓口で、11カ国語対応を準備し、現在は電話のほか、SNSのチャット等も活用し、広く相談を受け入れている。
遠藤氏によると、リアルタイムチャット相談などを活用し、つぶやきが相談に繋がり、難しいとされている若者層への継続支援が増加してきた。2023年4月~12月の期間では、専門家等との連携が必要な相談者の内の約30%が10代・20代であった。
遠藤氏は複数の具体例と共に、若年層の「帰属」の問題を挙げられ、彼らはSNSを駆使して関係を築くが、利用するアカウントを学校や趣味・親類等の関係先ごとに設定し、その場に応じた演技をしている為、そのどれにも帰属意識がないのだと話す。
また、「情報収集の場所」の問題として、大人世代がリアルの人間関係で情報を得ていた一方、若者世代は対象がインターネットに変化したことで、真偽不明な情報に囲まれて寄る辺がないという。
だからこそ、どんな悩みにも共通して「受け止められること」を求めており、「認められて安心できる繋がりの中に居たい、そこにどうやって辿り着けるのか」という思いがあると推察された。
これらをふまえ相談支援の視点では、引き続きインターネットでの対応は必須として、メタバース空間等の居場所づくりを進めるほか、相談者には「何か辛いことがあったんだ」ということを前提に考える「トラウマインフォームドケアの姿勢」で寄り添い、彼らの痛みを想像しながら対応することが重要だとまとめられた。