中央労福協は連続講座「『つながる経済』で社会を変える!」の第5回を1月23日に開催し、日本協同組合連携機構(JCA)の中野理研究員からプラットフォーム協同組合の可能性と課題を学んだ。
本講座ではプラットフォームビジネス(GAFAMやUberなど)やそこでの働き方に焦点をあて、第3回は法制度の面から、第4回はそこで働く人たちを包摂していく労働運動を学んだ。今回は、もうひとつの選択肢としてプラットフォームを協同組合方式で運営することをテーマにした。
中野氏は、プラットフォームビジネスの問題点や協同組合の基礎知識も交えて、日本ではまだなじみのないプラットフォーム協同組合が世界的な潮流となっていることや、豊富な海外の事例を通じてその魅力を語った。紹介された事例では、ドライバー、ハウスクリーニング、アーティストやクリエイター、民泊、フェアトレード、医療、高齢者介護など様々な分野で自ら協同組合を立ち上げ、労働組合が支援したり、民主的運営により利用料を格安にしたり、利用者や生産者も加わったマルチステークホルダー型で運営したり、利益を地域にも還元するなどしている。こうした事例から、中野氏は、協同組合による民主的な運営と適正な利益配分、経営的な安定、地域コミュニティにおける経済循環など、協同組合方式がプラットフォームビジネスに取り入れられることで世界が大きく変わる可能性を提起した。
また、参加者との質疑を通じて、勝者総取りの規模の経済を至上命題とするプラットフォームビジネスの中で協同組合が勝ち抜いていけるかという課題もあるが、地域コミュニティと連携して地域性を組み込むことで、従来とは違うビジネスモデルを追求できる可能性についても議論を深めた。
最後に中野氏より、「労働者の権利や主体性、社会正義や公正性を守るため、労働組合でも協同組合でもよいので、働く人びとが分断を超えてつながろう!」とのメッセージを受けて締めくくった。
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