中央労福協は7月22日、第22回Web学習会を開催した。フリーランス第2弾をテーマに東京大学社会科学研究所 名誉教授の水町勇一郎氏を招き、93名が参加した。水町氏は「日本で言われているフリーランス問題は、世界的には最大の労働問題であり、今後日本でもより大きな問題に発展していく可能性がある」と述べ、日本と世界の歴史的背景から、各国の対応状況、今後のフリーランスをめぐる課題と政策の方向性について認識を深めた。
日本のフリーランス問題は、リーマンショック頃から始まった非正規問題から端を発しており、これまでの取り組みの成果である非正規労働者の労働環境改善からフリーランスが新たに企業にとって都合の良い受け皿になり、コロナ禍による雇用調整等で問題が顕在化した。一方、世界では、GAFA等の提供するアプリによって働くプラットフォーム・ワーカーが激増し、各国では様々な対応に追われている。日本はプラットフォームビジネスの普及が世界と比べて遅いため現状では大きな問題となっていないが、デジタル化の進展が止まることはない。今後日本においてもフリーランスに対する法・制度の一層の整備が求められることから、世界の事例を注視ししっかりと参考にしていきたい。
参加者アンケートでは、満足度が高い回答が多数寄せられた。「フリーランスの問題について、①人間としての問題、②労組法の中で(組合を作り労使交渉)の解決、③規則・法としての解決などに分けて考えることが必要」などの回答があり、参加者の理解を深めることができた。