中央労福協は12月15日、一般社団法人日本ケアラー連盟代表理事の堀越栄子氏を講師に迎え、ケアラー・ヤングケアラーの実態と課題に関するWeb学習会を開催、96名が参加した。
「ケアラー」「ヤングケアラー」という言葉はよく聞かれるものの詳細はあまり知られていない。心や身体に不調のある家族などを無償でケアする人をケアラーといい、家族やケアを要する人がいる場合に大人が担うようなケア責任を引き受け家事や家族の世話などを行う18歳未満の子どもをヤングケアラーという。講演では実際の当事者たちの語りも交えながら、その実態と取り巻く課題をつぶさに紹介いただいた。
家族のことは家族でという通念が根強い社会ではケアラーは孤立しやすい。とりわけ周りの理解を得られず相談もできず自身を見失いがちなヤングケアラーへの支援は喫緊の課題である。堀越氏は「ケアラー支援は人生支援。かわいそうな介護者ではなく、ひとりの人間、ひとりの子どもとして認識し支援してほしい」と力説する。
ひとりの信頼される大人として、関心をもち気づいてあげること。組織として、困っている家族がいれば孤立させない環境整備を行うこと。国や地方自治体に対しケアラー対策の早期実現を求めていくこと。少子化が進む現代において、家族だけではなく社会全体の問題として取り組む必要性を強く感じた。
【今後のWeb学習会のお知らせ】
第17回 2022年1月21日(金)13:00 ~14:30
「 (仮題)中央労福協会長としての6年間を振り返って~今後の労福協運動への期待 」
講師:神津里季生 氏(中央労福協 顧問)
当日は芳野友子 新会長より新年挨拶を行います。
第18回 2022年2月4日(金)13:30~15:00
「(仮題)我が国の環境行政の取り組み~いま私たちの地球で何が起きているのか~」
講師 松田尚之 氏(環境省大臣官房 環境計画課長)
※このWeb学習会は、中央労福協各加盟団体、関係者の皆さんを対象としたものです。一般の方はご視聴頂けません。予めご了承下さい。