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神津里季生会長 年頭あいさつ

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2021年1月1日

 

 

労働者福祉中央協議会

会長 神津 里季生

 

 新年あけましておめでとうございます。

 昨年は新型コロナウイルス感染拡大に伴う異例の事態が続いた1年でした。多くの人々が仕事や住まいを失い、雇用不安や様々な困難を抱えています。とりわけ社会的に弱い立場にいる方々ほど深刻な打撃を受け、格差や社会の分断がより拡大しつつあります。これまでの日本社会におけるセーフティネットの脆弱性が、この危機において一気に浮上してきました。

 こうした状況を受け、中央労福協では、公的セーフティネットの強化を求め、政府・政党に対する働きかけとして、4月、6月、10月の三次にわたる緊急要請を行ってきました。それと同時に、労働者自主福祉として私たち自身ができることに一歩を踏み出し、7月に生活・就労応援基金(ろうふくエール基金)を設置し、募金を広く呼びかけました。コロナ禍において、地方労福協そして福祉の最前線で活動される皆さんに文字通りのエールをお送りしています。

 一方、実開催が叶わなかった全国研究集会については、9月に「コロナ禍・大規模災害に強い地域づくり」をテーマとした動画を配信しました。多く方々に視聴いただき、日常における地域コミュニティのあり方について考察を深めました。

 あらゆる活動が制限されるなかでの試行錯誤となりましたが、このような危機的状況だからこそ「労福協の2030年ビジョン」に改めて確信を持ち、留まることなく歩みを進めてまいりました。これもひとえに、加盟団体をはじめ関係者の皆様のご支援の賜物であります。この場を借りて、心より感謝申し上げます。

 しかしながら、コロナ禍の収束が見えないなか、依然として多くの人々が厳しい状況に置かれています。政府により様々な特例措置が講じられたセーフティネットについても、あくまで時限的なものであり、その脆弱性について根本的な解決には至っていません。

 『貧困や社会的排除がなく、人と人とのつながりが大切にされ、平和で、安心して働きくらせる持続可能な社会』を実現するために、今こそ、中央労福協に集う私たちが真価を発揮する時です。労働運動と労働者福祉事業が「ともに運動する主体」として関係を強化し、消費者運動、NPO・市民運動などとの連携を深め、共助の輪を広げていきましょう。公的セーフティネットの強化と合わせ、多様で重層的なセーフティネットを日本社会に張り巡らし、貧困や格差を是正していきましょう。

 中央労福協は、“2021年”ポストコロナ時代のスタートの年に、「つながり、寄りそい、支え合う」ことを基軸に、誰もが「助けて」と言える社会を目指します。そのために新しい手法を柔軟に取り入れ、「今こそ労働者福祉運動の出番だ」との気概をもって取り組んでまいります。

 

 ともに頑張りましょう!

 

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