社会保険制度の解説 雇用保険

雇用保険

2024年10月現在 
(2024.10更新)

保険料

(1)雇用保険率

(注1)雇用保険料=賃金総額(賞与・手当を含む)×雇用保険率
(注2)事業主超過負担分は、雇用二事業に充てられる。

(2)日雇被保険者

雇用保険料の他、賃金日額によって96円~176円の印紙保険料を労使折半負担。

国庫負担

(1)保険給付

[1]日雇労働求職者給付金以外の求職者給付(高年齢求職者給付金を除く)

イ 雇用情勢及び雇用保険の財政状況が悪化している場合 費用の4分の1

ロ 上記以外の場合 費用の40分の1

[2]日雇労働求職者給付金

イ 雇用情勢及び雇用保険の財政状況が悪化している場合 費用の3分の1

ロ 上記以外の場合 費用の40分の1

[3]雇用継続給付(介護休業給付)の8分の1

[4]育児休業給付に要する費用の8分の1 ※当分の間(令和6年度まで)、本来の負担額の10%

[5]職業訓練受講給付金に要する費用の2分の1

(2)事務費

予算の範囲内において、事務の執行に要する費用を負担。

給付内容

失業等給付

【求職者給付】

◎一般被保険者求職者給付

(1)基本手当

受給資格・給付日数:被保険者が失業した場合において、離職の日以前2年間に(一定の場合には最長4年間)被保険期間が通算して12ヵ月以上あるとき、以下の所定給付日数を給付する。
ただし、特定受給資格者になる者で上記の要件を満たさない場合は、離職日以前1年間に被保険者期間が通算して6ヵ月以上あれば受給資格を取得できる。
特定理由離職者(期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、労働契約の更新がないこと(更新を希望したにもかかわらず、更新についての合意が成立に至らなかった場合に限る。)その他のやむを得ない理由により離職したものとして厚生労働省令で定める者をいう。)については、離職日以前1年間に被保険者期間が通算して6ヵ月以上あれば、受給資格を取得できる。

●一般の離職者(自己の意思による離職者及び定年退職者)

●倒産、解雇等による離職者(特定受給資格者及び一部の特定理由離職者)

(注)1.基本手当を受給している人にはその期間中は老齢厚生年金が支給されない。

(注)2.公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける人等に対して行われる訓練延長給付やその他個別延長給付、広域延長給付、全国延長給付の延長給付がある。

(注)3.令和9年3月31日までの暫定措置として、雇用機会が不足する地域に居住する人の給付日数を60日延長。

(注)4.令和9年3月31日までの暫定措置として、雇止めされた有期雇用労働者についても倒産、解雇等並みの給付日数とする。

基本手当日額:賃金日額の45%~80%が原則。ただし、賃金日額および基本手当日額の上限は次のとおりとなっている。

年齢区分 賃金日額上限額 基本手当日額上限額
30歳未満 14,130円 7,065円
30歳以上45歳未満 15,690円 7,845円
45歳以上60歳未満 17,270円 8,635円
60歳以上65歳未満 16,490円 7,420円
65歳以上 14,130円 7,065円

*下限額は年齢に関係なく賃金日額は2,869円、基本手当日額は2,295円

受給期間:離職の日の翌日から原則として1年間。ただし、出産・育児・疾病で就職できない場合には最高4年、定年退職者の場合には、最高2年まで延長することができる。

待期期間:求職の申込をした日後通算して7日間は基本手当は支給されない。

給付制限:重責解雇は3カ月間正当な理由なく自己都合退職したときは3カ月(5年間のうち2回までは2カ月間※令和7年4月1日より1カ月間)、正当な理由なく公共職業安定所による職業紹介または職業訓練を拒んだときは1カ月間、正当な理由なく職業指導を拒んだときは、拒否した日から1ヵ月を超えない範囲内で基本手当は支給されない。
令和7年4月1日より自己都合により退職した受給資格者が離職期間中や離職日前1年以内に、自ら雇用の安定及び就職の促進に資する教育訓練を行った場合には、給付制限を解除。

(2)技能習得手当
公共職業訓練等を受講する場合には、その期間、基本手当に加えて次の手当を支給する。

・受講手当 日額 500円(上限40日)
・通所手当 月額 42,500円を限度とする交通費実費
*基本手当の支給対象日以外の日については支給されない。

(3)寄宿手当
公共職業訓練等を受講するため、扶養親族と別居して寄宿する場合には、その間、月額10,700円の手当を支給する。

(4)傷病手当
受給資格者が疾病等のため、求職の申込みをした後において、15日以上職業に就くことができない場合には、基本手当に代えて残余日数を限度に支給する。傷病手当の日額は基本手当日額と同じ。

◎高年齢求職者給付金

 高年齢被保険者(適用事業に65歳に達した日以後雇用されている人)が失業した場合には、被保険者期間が1年未満で基本手当日額相当額の30日分、1年以上で50日分の給付金が支給される。

◎特別一時金

 短期雇用特例被保険者(季節的に雇用される一定の人)が失業した場合に、被保険者期間が6ヵ月以上であったときは、基本手当日額相当額の30日分(当分の間は40日分)が一時金として支給される。

◎日雇労働求職者給付金

 日々雇用される者および30日以内の期間を定めて雇用される者が失業した場合には、印紙保険料の納付日数状況によって、1ヵ月につき13日~17日分が支給される。給付日額は7,500円・6,200円・4,100円。

【就職促進給付】

就業促進手当

(1)就業手当(令和7年4月1日廃止)
基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上、かつ、45日以上である受給資格者が再就職手当の支給対象とならない常用雇用等以外の形態で就業した場合において、一定の要件を満たしたときは、基本手当日額の30%に相当する額が就業日ごとに支給される。ただし、1日当りの上限は1,887円(60歳以上65歳未満は1,525円)。

(2)再就職手当
受給資格者が安定した職業に就いた場合において、支給残日数が所定給付日数3分の1以上、かつ、45日以上ある等の一定の要件を満たした場合は、支給残日数の60%(3分の2以上のときは70%)に当該受給資格者の基本手当日額を乗じた額が支給される。

(3)就職促進定着手当
再就職手当の支給を受けた人が、引き続きその再就職先に6か月以上雇用され、かつ再就職先で6か月の間に支払われた賃金の1日分の額が離職前の賃金の1日分の額よりも低い場合に、基本手当の支給残日数の40%を上限(支給残日数が3分の2以上のときは30%を上限)として、低下した賃金の6か月分が支給される ※令和7年4月1により支給残日数の20%が上限。

(4)常用就職支度手当
45歳以上の一定の中高年齢者、身体障害者等就職が困難な者が公共職業安定所の紹介により支給残日数のあるうちに安定した職業に就職した場合、一定の要件に該当するときは90(支給残日数90日未満である場合には、支給残日数(45に満たない場合は45)×40%×基本手当日額に相当する額が支給される。

移転費

 就職・職業訓練等のため、住所又は居所を変更し、一定の要件を満たしたときに移転費用が支給される。

求職活動支援費(広域求職活動費、短期訓練受講費、求職活動関係役務利用費)

 公共職業安定所の紹介で広範囲の地域にわたる求職活動や職業指導に従って行う教育訓練の求職活動を容易にするための役務の利用を行う場合、必要と認めた場合にその費用が支給される。

【教育訓練給付】

(1)一般教育訓練給付金
受講開始日現在で同一の事業主の適用事業に引き続いて被保険者等として雇用された期間が3年以上(初めて支給を受けようとする人については、当分の間、1年以上)あること、前回の教育訓練給付金受給から今回受講開始日前までに3年以上※経過していることなど一定の要件を満たす雇用保険の一般被保険者(在職者)又は一般被保険者であった人(離職者)が厚生労働大臣の指定する一般教育訓練を受講し修了した場合に支給。

(2)特定一般教育訓練給付金
受講開始日現在で同一の事業主の適用事業に引き続いて被保険者等として雇用された期間が3年以上(初めて支給を受けようとする方については、当分の間、1年以上)あること、前回の教育訓練給付金受給から今回受講開始日前までに3年以上経過していることなど一定の要件を満たす雇用保険の被保険者(在職者)又は被保険者であった人(離職者)が厚生労働大臣の指定する特定一般教育訓練を受講し修了した場合に支給。

(3)専門実践教育訓練給付金
受講開始日現在で同一の事業主の適用事業に引き続いて被保険者等として雇用された期間が10年以上(初めて支給を受けようとする人については、当分の間、2年以上)あること、前回の教育訓練給付金受給から今回の受講開始日前までに3年以上経過していることなど一定の要件を満たす雇用保険の一般被保険者(在職者)又は一般被保険者であった人(離職者)が厚生労働大臣の指定する専門実践教育訓練を受講し修了した場合に支給。

(4)教育訓練支援給付金
※令和9年3月31日までの時限措置となります。
初めて専門実践教育訓練(通信制、夜間制を除く)を受講する人で、受講開始時に45歳未満など一定の要件を満たす人が、訓練期間中、失業状態にある場合に支給。

【雇用継続給付】

高年齢雇用継続給付60歳以上65歳未満の被保険者(被保険者期間が5年以上必要)について、その賃金が60歳時点の75%未満となった場合に、各月に支払われた賃金の最高15%(令和7年4月1日より10%)相当額を支給する。ただし、賃金が376,750円以上のときは不支給。

介護休業給付(上限 347,127円):対象家族の介護を行うための休業をした被保険者であって一定の要件を満たした場合に、休業開始前賃金の67%に相当する額を支給する(休業期間中に事業主から賃金が支払われ、給付金との合計額が従前給与の80%を超えたときは超えた額を減額)。

【育児休業給付】

育児休業給付(上限 315,369円(50%のときは235,350円)):1歳(一定の理由による場合は2歳)未満の子を養育するため育児休業を取得した被保険者に休業開始前賃金の67%(181日目以降は50%)に相当する額を支給する。(休業期間中に事業主から賃金が支払われ、給付金との合計額が従前給与の80%を超えたときは超えた額を減額)。

出生時育児休業給付
子の出生日から8週間を経過する日の翌日までの期間内に、4週間(28日)以内の期間を定めて、その子を養育するための産後パパ育休(出生時育児休業)を取得した被保険者に休業開始前賃金の67%に相当する額(上限294,344円)を支給する。(休業期間中に事業主から賃金が支払われ、給付金との合計額が従前給与の80%を超えたときは超えた額を減額)。

※令和7年4月1日より「出生後休業支援給付」・「育児時短就業給付」が創設

【雇用二事業】

雇用安定事業:雇用調整助成金、障害者雇用安定助成金、地域雇用開発促進助成金、特定求職者雇用開発助成金、労働移動支援助成金等

能力開発事業:人材開発支援助成金等

詳しくは事業所又は住所地を管轄するハローワークへお問い合わせください。

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