相談事例Q&A

病気やけが(健康保険)-退職後の傷病手当金と失業手当

 現在、うつ病のため、長期間会社を休んでいます。

 大学を卒業して6年間、今の会社に勤めていましたが、回復の見通しもたたず、退職することにしました。今は、傷病手当金を受けています。支給を受けてから1年6カ月を過ぎていないのですが、退職をした後でも傷病手当金は受けることができるのでしょうか?また、退職をしたら失業手当はもらえるのでしょうか?

 傷病手当金は支給可能、失業給付は病気が回復後。

○傷病手当金
 退職をすると被保険者の資格は喪失してしまいますが、一定の要件を満たしたときは、支給開始日から1年6ヵ月を限度に傷病手当金が支給されます。
 一定の要件とは次のとおりです。
(1)資格を喪失した日の前日までに引き続き1年以上被保険者であったこと
(2)資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けていたこと(報酬を受けていて支給が停止されていた場合でも支給されます)
 したがって、ご質問の場合は、引き続き支給開始日から1年6ヵ月を限度に傷病手当金が支給されます。

○失業給付
 雇用保険の基本手当を受けるには次の要件が必要です。
(1)失業していること
(2)離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6ヵ月以上あること
 「失業」とは、被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることをいいます。
 ご質問の場合のように、病気によって仕事ができない場合は「失業」には該当しないので、基本手当の支給を受けることができません。また、傷病手当金の支給を受けている場合は、その期間中は基本手当の支給は停止されてしまいます。
 このように病気などのため、すぐに仕事をすることができない場合は、受給期間の延長をすることができます。
 基本手当の受給期間は、原則、離職の日の翌日から起算して1年間となっています。基本手当はこの1年間の失業している日について支給されます。
 しかし、妊娠、育児、負傷、疾病等の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない日がある場合には、職業に就くことができない日数を1年間の受給期間に加えることができ、最大4年間まで延長することができます。
 したがって、ご質問のケースでは受給期間の延長の申請をすることによって、4年間の間に病気が回復し仕事ができるようになった場合に、失業の認定を受けて基本手当の支給を受けることができます。
 なお、この受給期間の延長は、該当するに至った日(離職後において職業に就くことができない状態が30日を経過した日)の翌日から1ヵ月以内に、受給期間延長申請書に離職票を添えて、住所地を管轄する公共職業安定所に申請します。

社会保険労務士 根岸 純子


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