相談事例Q&A

病気やけが(健康保険)-高額療養費について

 先日、癌と診断され、手術を受けました。

 早期に発見されたため、手術も簡単で2カ月ほどで退院できるそうですが、治療費がかなりかかってしまいました。治療費が高額の場合、戻ってくると聞きましたが、いくら位もどってくるのでしょうか?8月25日に入院したのですが、10月10日には退院できるそうです。

 一定額を超える場合は、高額療養費が支給。

 健康保険の被保険者の一部負担金は現在3割となっていますが、その負担額が高額になった場合には、高額療養費が支給されます。

 高額療養費は、同一医療機関で同一月に支払った額が下表の高額療養費算定基準額を超えた場合に超えた分が支給されます。高額療養費算定基準額は、標準報酬月額によって、ア~エの区分と市町村民税非課税者等の低所得者(区分オ)の5区分に分けて定められています。

○70歳未満の場合の高額療養費算定基準額

区分 標準報酬月額 高額療養費算定基準額
原則 多数回該当
83万円以上 252,600円+(総医療費-842,0000円)×1% 140,100円
53万円~79万円 167,400円+(総医療費-558,000円)×1% 93,000円
28万円~50万円 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% 44,400円
26万円以下 57,600円 44,400円
低所得者 35,400円 24,600円

(注)1.低所得者とは、市町村民税の非課税者及び免除者とその被扶養者。
   2.「区分ア」または「区分イ」に該当する場合、市区町村民税が非課税であっても、
   標準報酬月額での「区分ア」又は「区分イ」の該当となる。

 例えば、かかった医療費が同一月に50万円とした場合、標準報酬月額28万円~50万円の方の場合は次のとおりになります。

80,100円+(500,000円-267,000円)×1%=82,430円(自己負担限度額)

500,000円-82,430円=417,570円(高額療養費)

 したがって、417,570円が高額療養費として支給されます。

 ご質問の場合も入院された医療機関で同一月に支払った医療費が所得区分による上記の表の金額を超えた場合は、超えた分が支給されます。

 ただし、高額療養費の同一月とは暦月単位になります。医療費の合計が高額でも2月またがって支払った場合は、それぞれの月ごとで計算されます。したがって、同一の疾病でも高額療養費の対象外になってしまう場合もありますので、ご注意ください。
 また、同一世帯(被保険者本人とその被扶養者)で同一月に21,000円以上支払った人が2人以上いるときは、それらを合算することができます。

社会保険労務士 根岸 純子


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