イベント・行事
-2月22日、宮崎市・宮崎観光ホテル-
第54回定期総会を開催、満場一致で全議案を承認!!
〜笹森新会長、野澤新事務局長体制を確立〜
 中央労福協は、第54回定期総会を2月22日(金)宮崎市「宮崎観光ホテル」において開催しました。総会には全国から代議員、オブザーバ223名が参加し、2002年度活動方針等を全会一致で決定し、新たな社会保障の構築、生涯生活サポートの推進、福祉セーフティネットの構築、食の安全確保と自然環境の保全、中小企業勤労者の福祉拡充などの諸課題への取り組みを進めることを確認しました。

 また、新会長に笹森連合会長、退任した刀谷事務局長の後任に野澤新事務局長を選出し、新たな体制のもとで2002年度の 活動を進めることになりました。
 総会は、天井副会長の開会挨拶で始まり、議長団に志野貴太男氏(連合・総合総務財政局長)、田口三朗氏(宮崎中央会副会長)の両氏を選出し進められました。

挨拶する野澤会長代行(本総会で事務局長就任)
 最初に中央労福協を代表して野澤会長代行が挨拶に立ち、「これからの労福協の活動は、事業団体からの支援を有効に生かし効率を高めていくために何をするのか、労働組合サイドからどういうテコ入れをするのか、NPO諸団体との関係、これらをもう一度見つめ直しながら、さらに強化発展させていかなければならない。福祉運動はまさに現場主義であるとの立場から、現場で活動の点を起こし、それを線・面へ拡大できるよう、この一年間お互いに努力していこう」と訴えました。
 この後、開催ブロックを代表して村上南部労福協会長(福岡県労福協会長)が歓迎の挨拶を行い、続いて来賓から連帯と激励の挨拶を受けました。

 笹森連合会長は、日程の都合で途中退席しなければならないこともあり、後の役員補選で就任が予定されている労福協会長(候補)としての立場での決意表明も込めた挨拶となりました。同氏は、福祉共済事業と労働運動のタイアップによる運動展開の効果と意義を強調し、「福祉運動と組合活動は車の両輪であり、労働運動全体のくくりの中で一体的なものにもう一度つくり直していかなければならない」との決意を披露。その上で、労働運動自体の反省を込めて「労働組合の存在が極めて希薄になっており、労働運動自ら今までの体質、体制の問題を見直し、社会的責任を果たせる存在になれるかどうかが問われている」との危機感を示し、「福祉共済活動への労働運動の関わり方、今まで以上にすべての雇用者に対して提供する材料・方法とは何なのか。連合・現場とも関わり合いながら、このことを一緒に考え、行動し、労福協を勤労者全体の福祉をカバーできる組織にしていくことを確認する総会にしよう」と本総会の意義を訴え締めくくりました。

 続いて、政党から民主党衆議院議員・今田保典氏、公明党参議院議員・弘友和夫氏、社会民主党衆議院議員・今川正美氏の各氏、関係省庁より厚生労働省労働基準局勤労者福祉事業室長・馬場廣美氏、国土交通省住宅局住宅総合整備課長・和泉洋人氏、地元の宮崎県知事・松形祐堯氏、宮崎市長・津村重光氏、友好団体より全国中小企業勤労者福祉サービスセンター会長・谷口隆志氏、さわやか福祉財団ふれあい社会づくりグループリーダー・奈良環氏、NPO事業サポートセンター常務理事・川嶋昭宣氏の各氏から激励や歓迎の挨拶をいただきました。

 この後、議長が総会成立を宣言し、2001年度活動報告、2001年度会計決算報告・同監査報告をそれぞれ満場一致で承認し、議案の審議に入りました。

 第1号議案の2002年度活動方針案では、和歌山・京都、宮城・石川から、(1)財政難と委託事業を行うときの課題、(2)中小企業勤労者福祉サービスセンターが直面する運営(財務等)の困難さ、(3)中退金への取り組み、(4)連合の生涯組合員構想の具体化と退職者向けの商品開発、(5)単産共済を全労済へ、(6)退職者連合の地域での組織化――などについて意見や要望が出されました。
これらに対する刀谷事務局長からの一括答弁を受けて、同議案は満場一致で可決されました。
 第2号議案の2002年度の予算案・第3号議案の規約改正及び関連事項の取り扱いの件についても、満場一致で承認。
 第4号議案の役員補選では、会長に笹森清連合会長、副会長に高橋由夫連合副事務局長、事務局長に野澤会長代行、会計監査に荻原保夫労金協会常務をそれぞれ選出しました。
 その後、議長団から総会スローガン(案)、大里副会長から総会宣言(案)の提案がなされ、満場一致で採択されました。

 最後に、退任した刀谷前事務局長、町田前会計監査、新任の高橋新副会長の新旧役員挨拶が行われ、議長団解任と小疇副会長の閉会の挨拶をもって第54回総会は盛会裏に終了しました。
総 会 宣 言
 中央労福協は、21世紀初頭の激変する社会・経済システムの改革が取り組まれている中で第54回定期総会を宮崎市で開催し2002年度の活動方針を全会一致で採択した。
 
 バブル崩壊以降、巨額の国費を投入しているにも拘らず不良債権処理は進まず、出口の見えないデフレスパイラルに陥った日本経済はいまや世界同時不況の火種の様相を呈している。
 また、相次ぐ企業の倒産や統廃合によるリストラの嵐が吹き荒れ、失業率は5.6%と上昇を続け、中高年齢層はもとより高卒・大卒など若者の働く場所さえ確保できない史上最悪の雇用環境にある。
 小泉内閣は「痛みを伴う改革」を唱えているが、この「改革」の行く手にはどのような未来と展望があるのか未だ明らかにされていない。それどころか、今日進められている改革の矛先は自己責任の名のもとに勤労者・高齢者・弱者に向けられている。
 社会保障の抜本的改革を先送りし、年金制度や医療制度などの負担増加と給付削減が同時に進められようとしている例は、その最たるものと言わざるを得ない。政治責任をないがしろにする一方で、勤労国民がよりどころとしてきた社会的セーフティネットが崩壊し始め、所得不安、雇用不安、将来不安にさらされている。自殺、虐待、いじめ、各種犯罪が横行し、勤労者の将来不安は、やり場のない怒りと政治・社会的不信でいっぱいである。

 こうした情勢の下で、私たちは労福協運動50年余の活動の成果を踏まえつつ、新たな視点から「人とくらし、環境に優しい福祉社会の実現」を目指す取り組みを真剣に議論した。
 年金、医療、介護などの福祉諸制度を総点検し、勤労者の生涯にわたる生活保障制度の再構築を図ること、遺伝子組換え・残留農薬・ごまかしのない食品の安全確保、きれいな空気・水・大地を次世代に継承する環境保全の取り組み、更には長寿社会に対応する社会的ネットワークや勤労者福祉セクターとしての「福祉セーフティネット」の構築など、労福協が取り組む課題が山積していることを確認しあった。

 いまや私たちが直面している課題の多くは「20世紀型」といわれる“競争と効率”という経済効率性の社会原理から“人と人とが助け合い、支えあう協力・協同社会”という新たな価値を創造する時代に入った。かつて経験のない社会・経済システムの変化の流れのもとで、いまこそ労福協運動の真価が問われている時はない。
 労福協に結集する労働組合・福祉事業団体は、その総合力を発揮し勤労者福祉運動の存在を大きく社会にアピールする必要がある。NPO・ボランティア団体との連帯も重要である。
 福祉行政の「公助」の充実を求めるとともに、私たち自身が取り組む「共助・自助」の取り組みを飛躍的に発展させ、未来ある福祉社会の実現のため全力をあげなければならない。

 中央労福協は、21世紀初頭の勤労者福祉運動を新たな決意を以って取り組んでいくことを茲に宣言する。

2002年2月22日
労働者福祉中央協議会
第54回定期総会


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